「限りある時間の使い方」で気づいたこれからやるべき「3つのこと」

「限りある時間の使い方」という本を読みました。ライフハック系のタイムマネジメントの本ではなく、その対極にあるユニークな時間に関する考察が書かれた本です。

人間の平均寿命は80歳まで生きるとして、実はたった4000週間しかありません。

となると、限られた時間の中で何をするべきかを厳選して、選択したものを一刻も早く手がけることが重要になります。

ところがタイムマネジメント系のビジネス書は、いかに少ない時間で大量のタスクをこなすかばかり考えています。つまり、目の前にある本当はやる必要のないつまらないことまで効率的にこなす方法を追求しているのです。

そして、効率的なタイムマネジメントがうまくいけばいくほど、新たなタスクが見つかり、永久にその沼から抜け出すことができなくなり、疲弊していきます。

筆者に言わせれば「生産性とは罠」なのです。

限りある時間と悔いなく付き合うためには、生産性を高め短時間で大量のタスクをこなす能力を高めるより、むしろ次の3つのことが大切だと感じました。

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1. すべてのことをやろうとしない

公私にたくさんのタスクを抱えて、毎日忙しくしている人がいます。でも果たして、それらは全て本当にやるべきことなのでしょうか?

すべてのことをやり遂げようとして、その段取りに忙殺され、疲弊するのであれば、最初からやることを絞り込んだ方が良いのではないでしょうか。

そのためには、まず目の前にあることの中から、自分が本当に何をやりたいのかを真剣に考え、不要だと思ったことを捨てる勇気が必要になります。

2. やりたいことを先送りしない

せっかくやりたいが見つかっても、いつかやろうと思っているうちに時間が経ち、その機会がないまま人生を終えてしまうかもしれません。

本当にやりたいと思ったら、「来年やろう」「時間ができたらやろう」と思うのではなく、他のことを諦めてでも躊躇せず今すぐ始めることです。

3. 好きなことを長くできる努力を続ける

人生の時間は有限ですが、努力によってある程度は伸ばすことができます。それはやりたいことができる健康年齢を伸ばすことです。

食事、運動、睡眠、ストレスのマネジメントすることで、限りある時間を増やせる可能性が出てきます。

多くの人は、人生が有限であることを直視することを避けています。不都合な現実を見なくてよいようにするために、たくさんのタスクをこなすことに逃げ込んでいるのです。でも、それよりは勇気を出して、自分に残された時間をどうすべきかを真剣に考えてみることです。

もし明日が人生の最後の日だとしたら、今日これから何をするか?

そんな問いかけを行うことで、やるべきこととやらなくても良いことを仕分けし、やるべきことに一刻も早くフォーカスすべきです。


編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2023年1月16日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。