サラリーマンに残された「最後の特権」

48歳になるまで26年間、金融業界で会社員生活を続けてきました。

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日系・外資系問わず、大手金融機関やベンチャー企業まで様々な会社で働き、サラリーマンのメリットやデメリットについて、それなりに理解しているつもりです。

昭和から令和に移り変わる中、サラリーマンの置かれている環境も大きく変わりました。

私が社会人になった頃は、大企業に入れば一生安泰の「勝ち組」と考えられていました。私が入社した日本の銀行は終身雇用の年功序列で、ある程度のポジションまでの昇進が保証されていました。

しかし、今や大手企業でも環境変化から経営悪化に陥ることは珍しくなく、業績が悪化すればリストラにも躊躇はありません。

また若返りを進める会社では、中高年は早期退職制度で冷遇され、優秀な社員は高収入に惹かれて外資系に流出しています。

労働市場が流動化し、市場環境が激変する中で、大企業のサラリーマンで組織に留まることは、「安定」ではなく「リスク」になっているのです。

大企業サラリーマンの特権が次々と失われていく中で、最後に残っているのは「お金を借りる力」です。

一定の年収を持つサラリーマンであれば、年収の数倍の金額を提携ローンを使って、不動産投資資金として借りることができます。

お金を低利で調達することができれば、投資した物件からの家賃収入を受け取り、金利差からの収益を狙うことができます。

これが自営業者になると、ローン審査が急に厳しくなります。金融機関は自営業者のリスクがサラリーマンより高いと判断しているのです。

このようなサラリーマンの特権も、いつなくなるか分かりません。

また、50代を超えてくると、徐々にその特権は失われていきます。

これからのインフレに備える方法の1つは、お金を借りておくことです。インフレになれば、借金は実質的に減少するからです。

私自身も、8年前まではお金を借りたことがなかったので、偉そうな事は言えません。でも、仕事ではとても優秀なのに、資産運用に関しては保守的で思考停止している人が多いのは不思議なことです。

そんな固定観念を打破したい人は、2月に開催されるこちらのセミナーに是非いらしてください。


編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2023年1月24日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。