テレビをみるたび頭にくる:日本社会には自己責任ってものはないのか

テレビをみるたび頭にくる

朝のテレビです。

奥多摩かどこかで滝までの道が凍って転倒者続出。映像見ると主に爺さん、婆さん。あたかも自治体にここは通行止めにしろとか言いたげ。まともな靴も履かずに来るほうが悪いだろう。

そんなもん。自己責任でしょうが!!!

公園のバナナスライダーっていう滑り台。公園によっては数年に一回、運動神経鈍い子どもが真ん中から落ちるという。で、撤去した公園もあるとか・・・・

そんなもん。自己責任でしょうが!!!

子どもなんて、川遊びしたって海で泳いだって山で遊んだって怪我くらいする。こういう報道が出ると保身に走ってとにかく波風を立てたくない、非難されたくない自治体の役人は「だったら撤去してしまえ」になる。コロナ禍の時に意味のない屋外公園閉鎖をした東京都の仕業を絶対に忘れない。

斑尾、野沢の雪崩を嬉しそうに報道するテレビ

日本に来るバックカントリーを楽しみたい外国人スキーヤー、スノーボーダーは長期滞在し、機材も凄い装備を持つ。ビーコンも当然持っている。それでも雪崩は起きるのである。

バックカントリーはインスタなどでもたくさん上がっている。上級者オンリーで自分など一生できそうにない。

遭難したら救助が大変だから禁止しろなんていうのは日本だけ。彼らは保険も入っているし装備も万全。救助が大変だから禁止しろなら世界中で登山もサーフィンもヨットもまるでできなくなる。いや、ドライブだって事故を起こしたら救急隊員が大変だから出かけるな!になる。究極がコロナ禍で「医療が大変だから家に閉じこもれ」で8500人もの若者、しかも女性の自殺が増えてしまった。

そんなもん。自己責任でしょうが!!!

ここはポルトガルのナザレ。ビッグウェーブに挑むサーファーにたくさんの観客。もちろんビッグウェーブだから死者も出る。救助のジェットスキーの死者も出てます。日本ならどうなるか。無謀なサーファーがいると通報を受けたパトカーが「海から上がりなさい」とマイクで怒鳴るでしょう。

そんなもん。自己責任でしょうが!!!

どうしてこんなに日本人は他人を制限したがるのか。
子どもに人気のライトノベル。その大半が「異世界転生もの」で、そのまた大半が「異世界で冒険者になる」というシチュエーション。明治時代は北海道開拓や昭和になってもハワイや南米移民という冒険があったが、いまはなにもない。あるのは「他人に迷惑だから××するな」というガチガチの社会通念。

そんなもん。自己責任でしょうが!!!

日本の少子化、閉塞感、結婚率の減少などは、こうした「他人に迷惑を掛けるな」的な社会の押しつけが大きな要因と思います。

こちらはYouTube版です。賛成の方も、反対の方も、ぜひともご意見をお待ちしています。

kimberrywood/iStock


編集部より:この記事は永江一石氏のブログ「More Access,More Fun!」2023年2月1日の記事より転載させていただきました。