60歳になったら株式投資をやめようと思う訳

私もいよいよ来年は還暦を迎えますが、そろそろ株式投資から足を洗おうかと思っています。

未公開株式のような上場していないベンチャーのような会社の株式に関しては、引き続き応援したい会社に出資をしようと思います。

しかし、インデックスファンドを使って間接的に投資をしているグローバルな上場企業への投資に関しては、売却を進めることによって資産全体に占める比率を引き下げようと思います。最終的には株式の比率をゼロにすることも検討しています。

インデックスによる株式投資は、中長期的に経済成長に伴い企業価値の上昇からのリターンを狙うものです。デメリットは短期的の変動が大きく、資産形成に時間がかかることです。

過去の経験則からは、相場の大きな変動があっても、10年20年単位で見ればインデックスの価値の向上からのリターンで資産形成は可能だと思います。

60歳であれば、70歳、80歳の時には資産形成ができているかもしれません。しかし、そのような未来に資産があっても、私にはあまり意味がありません。それよりも、目先の定期的な収入の方が重要です。

と考えれば、株式に投資するインデックスファンドは徐々に解約を進め、その資金を保有している不動産投資の借入金の返済に回す。それによって、キャッシュフローを改善していくのが賢明だと考えました。

資産運用とは資産総額を永遠に増やしていくのが目的ではありません。自分に必要なお金を必要な時に手に入れる方法を合理的に考えていくのが正しいアプローチです。

そろそろお金を増やすフェーズから卒業して、定期的なインカム収入を増やし、お金を使うフェーズに移行しようと思います。

mapo/iStok


編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2023年2月3日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。