岸田文雄首相は、2月8日に来日するフィリピンのマルコス大統領との会談で、年間2000億円を超える支援を表明する方向で調整に入ったそうですが、この支援への報道のしかたに疑問の声が多く上がっています。
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一流写真週刊誌・FLASHは、「これも含め、海外バラマキ合計18兆円、2022年に、岸田首相が表明した、おもな海外投資額だ」と岸田首相に噛みつきました。
国民の怒りの声が湧いているそうです。
https://twitter.com/momotro018/status/1621109094559137792
しかし、バラマキというのはちょっと無理がある気がします。ODAの有償資金協力ならお金を貸すのであって、そんな気前のいい話ではないのではないかという疑問の声があちこちで上がっています。
こういったODAにはしっかりとした意図があります。
日本のODAは逆に今が正念場だという指摘もあります。
https://twitter.com/kota_sugihara/status/1621518691543453697
ここで取り上げられた18兆円という中身は、
- 今後5年間でインドへ5兆円を投資する目標を掲げると表明
- 途上国のインフラ投資を目的に、今後5年間で650億ドル(約8兆8000億円)以上の拠出を目指す考えを表明
- アフリカ開発の支援を議論する「第8回アフリカ開発会議(TICAD8)」の基調講演で、2023~2025年の3年間で官民合わせて総額300億ドル(約4兆1000億円)規模の資金をアフリカ支援に投じると表明
ということで、あくまで官民合わせた投資額の目標の表明なので、この総額が18兆円だからといって、これで「国民の怒り沸騰」とするのはちょっと無理筋な気がします。
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しかし、元になった記事である共同通信の報道も、ODAということに一切触れていないので、悪意を感じてしまいます。これだけの報道では確かに「海外バラマキ」と受け取る人が現れても不思議ではありません。
岸田文雄首相は、8日に来日するフィリピンのマルコス大統領との会談で、年間2千億円を超える支援を表明する方向で調整に入った。複数の政府関係者が2日明らかにした。
貿易赤字が常態化することは避けられないので、経常黒字の獲得はがんばってほしいものです。
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また、ODAをもっとうまく使えという指摘もあります。
岸田首相も揚げ足をとられないようにがんばってほしいです。翔太郎くんの件とかで。