米国が誇るタカ派外交官のヌーランド国務次官がシンクタンクのイベントで、ウクライナがクリミア半島を攻撃することを米国が容認すると受け止められる発言をしました。
同イベントでヌーランド氏はウクライナの安全保障を確保するためには最低でもクリミア半島の「非軍事化」が必要で、クリミア半島にあるロシア軍基地が「合法的な攻撃対象」として見なされるべきだという見解を示しました。
ヌーランド氏は米国の国務省で序列4位の存在で、長年に渡って外交官として米国の外交政策を実務面から動かしており、影響力は無視できません。
ちなみにヌーランド氏の夫はイラク戦争開戦の急先鋒だった歴史学者のロバート・ケーガンです。
また、彼女の義理の妹は日本の報道番組などでよく使用されるウクライナ戦争の戦況図を作成している米戦争研究所のトップを務めています。
ヌーランド氏は最近もタカ派的な発言で物議を醸しています。先月、議会の公聴会で昨年にロシアから欧州に天然ガスを送る海底パイプライン、ノルドストリーム2が爆破されたことが「大変喜ばしい」と発言しました。
米国のタカ派を中心にウクライナのクリミア半島奪還を支持する声が高まっています。
先日大統領選への出馬を表明した元国連大使のニッキー・ヘイリー氏もウクライナ支援の強化を求めています。同インタビューで、バイデン政権のウクライナ政策の物足りなさも批判しています。
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アゴラでは米国内でウクライナ支援に対する懐疑論が強まっていることも紹介しましたが、ロシアに対する強硬路線が強まることも同時に警戒しなければなりません。