グーグルとAMAZONは、おっさん化の「リトマス試験紙」

今はどうかは知りませんが、私の世代はインターネットの使い方を、学校では教えてもらえませんでした。パソコンが普及した1990年代から、携帯が主流になっても、我流で何となく使っています。世代によって、その使い方が随分異なることに気が付きました。

monzenmachi/iStock

例えば、私がランチやディナーで使うお店を選ぶ時に参考にするのは、グーグル検索や食べログです。「お寿司、銀座」というようにエリアや食べたいものを入力して、出てきたお店から予約を入れます。また、予約困難店はOMAKASEというサイトも使います。

ところが、私より若い世代はお店を探すのにインスタグラムを使うようです。

ハッシュタグで、#お寿司、#銀座というように入力して、出てきた画像から気になるものをクリック。お店を見つけたら、今度はそのお店のハッシュタグで検索するという方法です。

最近の飲食店が味だけではなく、盛り付けや食材の豪華さ、ドライアイスやバーナーのような派手な演出になっているのは、明らかにインスタグラムの影響でしょう。

また、何かを勉強したり、情報収集しようと思ったら、私はAmazonで書籍を検索します。該当する分野の書籍の中から、レビューの数や著者の経歴などをチェックして本を選んで注文します。新刊であれば遅くとも翌日には本が届き、それを使ってインプットするのが通常の流れです。

ところが、私より若い世代の情報収集は、ユーチューブが当たり前のようです。動画検索して、10分程度のコンテンツをいくつかサクサクっと見て、ザックリと情報を集める。

どちらの方法が良いとは言いませんが、正確性はともかくユーチューブ動画の方が圧倒的にスピードが速いことだけは間違いありません。

GAFAと呼ばれ、インターネットテクノロジーの最先端だったグーグルやAmazonを使うのは、もはやおっさん世代。

フェイスブックも、おっさんやおばはんの人脈自慢、子供自慢、高級ホテルやレストラン自慢などのマウンティング投稿がウザいらしく、若い世代はあまり使わないようです。

私は今でも、朝起きると日経新聞朝刊を持ってスターバックスに行き、新聞を読むのが日課ですが、20代で紙の新聞を購読している人はほぼ皆無でしょう。

インターネットはアナログからデジタルへのシフトをもたらしました。そのデジタルコンテンツが、テキストから画像、そして動画にシフトしています。

いずれ、インスタグラムやユーチューブさえも時代遅れと言われる時が、遠くない将来にやってくることでしょう。


編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2023年2月20日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。