世田谷区議会議員選挙まであと2ヵ月を切った。同日には区長選挙も行われる(4月16日告示・23日投開票)。私はこれまで、保坂区政と厳しく対峙してきた。それは、保坂区政とは一口で言えば、実施計画達成率4割に満たない「仕事ができない区政」であり、何かやるのかと思えば、「世田谷モデル」のような、実のないパフォーマンスに終始する政治だったからだ。
区長には予算編成権をはじめ、議員とはケタ違いの権限が与えられている。端的に言えば、議会を無視して自分の意思を押し通すことも可能だ。事実、保坂区長の議会軽視は度々批判されてきたが、それを改める素振りもない。私もかねてから追及してきたように、週刊誌で報道された公用車使用の公私混同も、保坂区長のそうした意識の延長線上にあることは言うまでもない。
区長を替えるしかない――。私が日に日に募らせてきた思いである。しかし、適任だと思う人には悉く断られてきた。そんな中で、同じ思いを抱き、輝くキャリアを擲ってでも、闘う決意を固めてくれたのが、内藤ゆうや氏だった。世田谷生まれ、世田谷育ちの29歳。東大卒業後、財務省入省。愛する世田谷が沈没し行くのを、黙って見ているわけにはいかなかったのである。
内藤氏は維新の政策に共鳴してくれ、推薦を要請してきた。東京維新の会とは慎重に協議を重ね、主に以下の4点で合意した。①首長自らの身を切る改革(退職金廃止)、②しがらみのない行財政改革、③民間事業者を積極活用した区政運営、④子育て・教育の充実。すべてにおいて、保坂区長がまともに実行できないことである。そして2月19日、成城ホールで出馬会見が開かれた。
会場には維新のほか、同じく推薦を決定した自民党世田谷区議団をはじめ、「無所属・世田谷行革110番・維新」のメンバーも結集。これはこれで、記者からは「異例の顔合わせ」との声も上がった。その他、都合で来場できなかった、複数の無所属議員からも支持の表明があり、内藤支援の輪は急速に広がりつつある。それだけ保坂区政への危機感が強いのだ。
保坂区長は不戦勝を決め込んでいたかもしれないが、そんなに都合よくいかないのが世の常である。しかし、現職は強い。人気もある。まなじりを決して、正々堂々と闘いを挑みたい。すべては、世田谷の未来のためである。