アンボス(パリ6区)

「アンボス」でディナー。

ベネズエラ出身のクリスタ・テジェダとブルターニュ地方出身のピエール・ショメ夫妻の店。クリスタは、バッキンガム宮殿やロンドンのラトリエ・ロビュション、ピエールは、ル・ブリストルやラ・ピネードなどを経てロンドンでクリスタと出合った。二人で、バンコクでも働いてる。

そんな彼らの料理は、フランス料理ベースに、アジアや南米が香ったとても個性的、かつ素晴らしくおいしい。

アレパ(ベネズエラのサンドウィッチ)&ソーセージガレット(ブルターニュ名物)でアペリティフ。どちらも、スパイスやハーブの使い方が絶品。

エビタルタルのパッタイスタイルも、上品かつクリアなアジアスパイスの香りがとっても素敵。香り高いブイヨンも美味~。

味見させてもらった、備長炭で焼いたビーツ&燻製ウナギもよし。

仔羊は、ジゴ(腿肉)を実に見事な火入れ。ジゴをここまでガストロノミー風に調理するのって、なかなか見られない。甘めのソースがまた絶品で、ここにチミチュリのスパイシーさと燻製サーディンの塩気と旨味をアクセントに加えて、とんでもなくおいしいかつ個性的なソースに仕上がってる。味見した友達も、”う~ん、おぉっ、わお、へ~!”と感心。いやすごいよ、ほんと、このソース。

付け合わせの根セロリピュレもおいしいけど、ロビュションピュレは作らないの?って聞いたら、作りすぎてもうやだ、って(笑)。いつか作ってくれるといいな。もちろん、あのジュをかけてね。

デセールは、ショコラにタジェットの爽快感を加え、タマランのアイスクリーム。香り高いけど、料理のレベルには敵わないかな。

素晴らしい料理に、心から拍手。

ここ、ずーっと前から暗いカフェだったけど、こんな素敵なレストランに生まれ変わってよかった。お向かいにいる上院議員さんたちも、喜んでいることでしょう。


編集部より:この記事は加納雪乃さんのブログ「パリのおいしい日々4」2023年2月19日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は「パリのおいしい日々4」をご覧ください。