黒坂岳央です。
昔、あるビジネスマンから言われて忘れられない言葉がある。それがこの記事のタイトルにつけた「3億円もらっても今の仕事は続ける?これを自問すれば、天職かどうかを判断できる」というものだ。しかし、これはなかなか難しい問いである。なぜなら多くの人にとって3億円という金額は想像できない額であり、さらに今の仕事をやめた後の生活を想像することは結構難しいからだ。
でも、もしも間髪をいれずに「やめない。今の仕事はお金のためじゃなく、自分のためにやってるから」と答えられる人は幸福な人である。一方、「絶対にやめて他のやりたいことをする」という人は、もしかしたら人生の軌道修正が必要なのかもしれない。
仕事でしか得られない価値
とてもありがたいことに、筆者が今やっている仕事については3億円どころか、100億円もらってもやめないだろう。お金を受け取ってやっているが、仕事を通じて自己実現と承認欲求を満たしてくれていると思えるからだ。
仕事をすれば、お客さんからダイレクトに「ありがとう」「人生救われました」と感謝とお礼の言葉をもらえる。動画を出せば「ユーモアの感じられる話に思わず吹き出しました」と言ってくれる。自分の承認欲求はおそらくこうしたコメントのおかげで満たされている。恒久的な承認欲求はお金で買うことは論理的に不可能に近いので、仕事を通じて感謝を集めて満たすのが一番健全かつ、確実で効果的である。
さらに仕事は自分の可能性への挑戦そのものだ。記事や動画を出す上でも過去の焼き直しや、同じことばかりやっていれば必ず飽きられる。だから時代のトレンドを学んでそれに乗った内容にしたりするなど、学びと創意工夫が生き残りに必要だ。昨今のAIチャットボットもその一つであり、自分もビジネスに積極的に取り入れている。
自分の場合、ビジネスはお金を稼いでご飯を食べる仕事というより「趣味」という位置づけである。自信の才能を活用して自己実現欲求を追い、お客さんからの感謝で承認欲求を満たせる仕事ができれば、もはやお金目的ではなくなる。もしも、今仕事をやめたらやることがなくなって暇を持て余す上に、承認欲求と自己実現欲求が満たせなくなるので間違いなくQOLは下がる。だから今後も資産の多寡に関係なく、仕事をやめるつもりはないのだ。
仕事なしの人生は難しい
そもそも、人間という生き物は仕事なしで人間らしく生きることが難しいと思っている。
老人医療の書籍を読んで必ずと言っていいほど書かれているのが、「仕事をやめたらボケる」という記述だ。これはよく理解できる。過去に仕事を辞めた時から、人は急速に老害化するという記事で紹介した話だが、セミリタイアをして仕事をやめた人が老害行動を取るようになった。また、仕事をやめてテレビの番人になった人が痴呆症状が出るようになるなど、仕事をやめると人は急速に社会性を失う。
もちろん、人は千差万別でありそうでない人もいる。だが多くの場合、人間は社会とつながっていることで身なりや体型を気にしたり、言葉遣いや振る舞いを意識する。社会とつながる一番いい位置づけである仕事は、人の社会性を維持するのに効果的である。ちなみにここでいう「仕事」には主婦業も含まれる。育児や家事は雇用主や給与がいないだけで、実質的に仕事と何も変わらない。つまり、ほとんどの人にとって社会性を維持するためにも仕事なしの人生は難しいのである。
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