日本が「観光立国」を目指すのに足りないもの

奥飛騨温泉郷にある平湯温泉に来ています。温泉旅館投資の視察が目的です。

このエリアはミシュラングリーンガイドで取り上げられたことで、世界的に有名な温泉地となり、日本人よりも外国人に知られる場所と立っています。

インバウンド需要を見越して、ドーミーインを運営する共立メンテナンスや星野リゾートも宿泊施設を作り、参入してきています。

日本の温泉という観光資源は、世界に誇る素晴らしい文化だと思います。外国人にとっても風情のある日本旅館に泊まり、冬場には雪を楽しみながら、温泉に入るのは、他の国では得られない貴重な体験です。

しかし、外国人旅行者が地方にある温泉旅館に行く時に、ハードルとなるのが言葉の問題です。

地方に行くと、英語で会話をできる人が少なく、表示板なども外国人に優しいとは言えません。

奥飛騨温泉の平湯の道端で見たのは、写真のような英語表記です。

「I am careful about openings」と書かれていますが、意味がよくわかりませんでしたが、どうやら「開口部注意」を英語に訳したもののようです。

外国人にも注意を喚起する目的で作ったのだと思いますが、ネイティブチェックをした方が良いと思いました。

旅館の宿泊の際も、大浴場の入る時間や、ルームサービス、お酒の注文、お料理の説明など、英語対応しなければ、外国人観光客の満足度を高めることができません。

逆に、肉、魚、野菜などの地元の特産品を英語でわかりやすく説明できれば、きっと喜んでもらえることでしょう。

せっかくの貴重な観光資源を無駄遣いしないためにも、地方自治体は、外国人の力を借りて、外国人観光客の満足度向上のために必要な対策をとっていくべきだと思います。


編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2023年4月2日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。