衆議院山口4区の補欠選挙で有田芳生元参議院議員が落選した。めでたいことだ。
フリージャーナリストとして霊感商法、統一教会、オウム真理教による地下鉄サリン事件、北朝鮮拉致問題に取り組み、参議院議員も二期12年務めた。経歴は立派だ。
それでは、参議院議員当時、統一教会問題について取り組んでいたのだろうか。誰でも検索できる国会議事録(国会会議録検索システム)で調べてみた。
有田氏が国会で統一教会に言及したのはわずか二回。一回目は2011年5月12日の参議院法務委員会。しかし、質問の中心はGPSを用いて個人を追跡することが許されるかどうか。統一教会から逃げ日本に戻った女性を、女性の家族の車にGPSを取り付けて韓国人が追跡したという実例に触れただけ。
二回目は2013年6月11日の参議院法務委員会。質問の中心はハーグ条約(国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約)。合同結婚式で結ばれたカップルの間で子供の親権争いが起きたらどうするのかと、これも例示に過ぎなかった。
フリージャーナリストとして威勢はよいが、議員としてはヘッポコ。有田氏は統一教会の問題について国会できちんと問題提起したことはない。山口県の有権者の目は正しい。そもそも「下関は統一教会の聖地」などと遊説中に発言した有田氏が有権者の支持を得るはずもない。
安倍元総理大臣が銃撃された翌日2022年7月9日から補欠選挙告示日前日の2023年4月10日の間に有田氏は朝日新聞で24回取り上げられている。3月4日に候補として擁立の記事が出る前まででも19回。その中には、立憲民主党の地方組織や市民団体の要請で統一教会について講演する・講演したという記事が多くあった。
例えば2月20日の記事は、伊勢崎市で市民団体が25日に講演会を開催するというもの。主催者の「統一教会問題は日本の現在を考える上では避けて通れないテーマ。専門家の有田さんが分かりやすく説明してくれる。若い人にも多く参加してほしい」という言葉が記事中にある。明らかに宣伝記事だ。
オールドメディアのこの姿勢には強い疑問を感じた。ヘッポコ議員の芽が摘まれたのはめでたいが、有田氏は統一教会問題の専門家として、数か月もすればオールドメディアに再び登場するようになるだろう。だが、それは適切なのだろうか。