金融機関が西暦ではなく、元号表記にこだわるのはナゼ?

今年は2023年だということはすぐにわかっても、令和何年?と聞かれると、私は咄嗟には4年なのか5年なのか回答できません。元号とは、西暦に併記されて何となく時代感覚を得られる補助的な年号。そんな存在だと思っています。

元号制度は長く続く日本の伝統でもあり、廃止する必要は無いと思います。しかし、仕事に使うのは頭が混乱するのでやめて欲しいというのが本音です。

特に金融機関から長期で融資を受ける時に痛感します。

写真は私がとある金融機関から借りている融資の返済予定表です。西暦で表記すれば簡単に計算できるのに、元号表記でややこしいことになっています。

当初借り入れしたのは、平成31年で最終返済が令和11年と言われても、何年借りているのか全くイメージできません。

そして、今は令和5年の5月ですが、果たして融資開始日から何年経っているのか?知りたければ西暦と元号の変換表を見て調べなければなりません。

面倒くさいだけではなく、計算間違えをするリスクも高まります。

金融機関に勤務している人たちも元号表記で頭の中が混乱していると思います。そもそも、このような返済予定表が作成されているということは、システム開発するときに元号を考慮してプログラミングしている訳で、それがそもそも驚きです。

ナゼ、金融機関がそこまで元号表記にこだわるのか?何か当局の規制や指導があるのでしょうか?

せめて西暦も併記してくれればと思うのですが、この銀行に限らずほとんどの金融機関の返済予定表には元号しか記載されていません。

もしかして私が例外的に換算能力が低いだけで、多くの人は元号を何のストレスを感じることもなく、西暦変換できるのでしょうか?

脳内変換できない私は、自分で元号の横に西暦を手書きして、すぐわかるようにするしかありません。


編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2023年5月3日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。