加藤厚労相が5月7日にフジテレビの番組で「年金や医療に使う金を子どもに持っていく余地はない」と発言したことが波紋を呼んでいます。これは少子化対策の財源に社会保険料を使わないという意味でしょう。
5月4日には自民党の茂木幹事長が、少子化対の財源について「増税や国債の発行で捻出することは想定していない。まずは歳出削減の徹底や、既存の保険料収入の活用で、できるかぎり確保したい」と発言しましたが、厚労相はこれを否定したものです。
小倉こども対策担当相は「国債も含め、あらゆる財源の議論を排除していない」。
岸田首相は「個別の財源論について申し上げられる段階ではない」とのこと。
少子化対に必要な財源は6~8兆円といわれますが、考えられるオプションは
- 増税
- 社会保険料
- 国債
の三つです。このうち増税として考えられるのは社会保障の財源とされる消費税ですが、岸田首相は「向こう10年ふれない」と約束していますが、財界は消費税の増税を議論すべきだとしています。
社会保険料として考えられるのは、その料率の引き上げですが、これは年金・医療・介護のいずれにも相当しないので、むずかしいでしょう。
考えられるのは給付の削減で、たとえば後期高齢者の窓口負担を今の原則1割から一律3割にすると、1兆円ぐらい財源が出ます。
どっちもだめな場合は国債しかありませんが、意外に若い世代ほど国債を容認しています。
資産課税とか富裕税という案もあります。
少子化対策という政策に意味があるかどうかはともかく、これは社会保障のあり方を議論するいいチャンスなので、国会でも議論してほしいと思います。アゴラでも投稿を募集しています。