東京の圧倒的な便利さはいずれ消えていく

東京を離れて、関西にきています。今年は地方のお店を食べ歩くべく、行ったことのない地域を少しずつ開拓しています。東京に比べ圧倒的にリーズナブルで、旅行の楽しみがあるのも魅力です。昨日伺ったお店も東京ではありえない価格で、素晴らしいお料理を堪能できました(写真)。

前回、京都に行った時も感じたことですが、東京では当たり前のことが、地方に来ると当たり前ではなくなります。

まず、クレジットカードが使えない場所が多いことです。東京でもランチタイムには現金飲みのお店が多いのは同じです。

特に勝手が違うのは、タクシーです。地方では、現金のみというタクシーが多いのです。

対策として、毎回乗る前に運転手さんにクレジットカード払いを受け付けてもらえるかを確認してから乗らなければならないのは面倒です。

タクシーで不便なのが、流しの車が少なく、予約してもなかなかつかまらないことです。確実に乗りたいなら、駅やホテルから乗るしかありません。

しかも、そもそもタクシーの台数自体が少ないせいか、呼んでもなかなか来てくれません。

奈良のホテルでは、フロントにタクシーを呼んでもらってから20分以上かかってようやく1台の車が到着しました。

余裕を持って出かけたつもりでしたが、お店の予約に大幅に遅れてしまいました。平日の夕方だからかもしれませんが、時間が読めないのは困ったものです。

電車で移動する際も、運行時刻を確認しておかないと、30分以上待たされることがあります。時間を気にせず利用できる山手線やメトロのようにはいきません。

でも、考えてみれば地方が不便なのでは無く、東京が便利すぎるだけの話。東京のライフスタイルを当たり前だと思ってはいけないのです。

国内の人口減少の影響はいずれ東京にもやってきます。便利過ぎる東京の生活もいずれ東京23区の辺境エリアから消えていくことになるのでしょう。

pianoman555/iStock


編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2023年6月7日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。