メキシコのロシア大使館はスパイの巣窟

1年前アンドレス・マヌエル・ロペス・オブラドール大統領はロシアの “植民地 “であることを否定した。
PANAM POSTより

ロペス・オブラドール大統領の誕生でメキシコは米国への服従を拒否

2018年に80年振りに左派系の大統領がメキシコで誕生して以来、米国にこれまで服従して来た政治に変化が現れた。この大統領の名前はアンドレス・マヌエル・ロペス・オブラドール(Andrés Manuel López Obrador)。彼の名前のイニシャルを取って一般に「アムロ(AMLO)」と呼ばれている。

アムロが誕生するまでは右派系の2大政党、制度的革命党(PRI)と国民行動党(PAN)による政権が続いていた。それは米国にとっても組みやすい政党であった。

ところが、80年続いた右派政党によるマンネリ化した政治、汚職の蔓延り、麻薬組織による犯罪の増加などが影響して国民は新しい政治を求めていた。それに応えたのが国民行動党を創設したアムロであった。

メキシコは米国一辺倒の外交からロシアそして中国に接近

メキシコの政治はこれまで米国との関係を重要視した外交であった。メキシコはラテンアメリカではブラジルに次いで経済面では2番目の大国である。ところが、これまでメキシコは中米そして南米における影響力を発揮することをほとんど放棄していた。。アムロはそれを見なおしてラテンアメリカにおいてリーダー国になろとしている。ところが、ブラジルで左派のルラが大統領に復帰したことで、アムロの野望は幾分か崩れている。

それでもアムロは左派系の政権が続々と誕生しているラテンアメリカで、メキシコの影響力の拡大に努めている。そして彼の外交には反米意識も幾分か伴ったものになっている。カストロのキューバやマドゥロのベネズエラといった独裁国家に対しても独裁者の存在を批判することなく関係強化を図っている。

そのような姿勢からメキシコはこれまでの米国一辺倒の外交からロシアそして中国にも接近している。その一環として、アムロは今年メキシコのロシア大使館に36名の外交官僚が入国することを許可したのである。この受け入れによって、ロシア大使館には85名の外交官僚が働ていることになる。この数は米国のロシア大使館にいる外交官僚よりも多い数になっている。因みに、一方のロシアのメキシコ大使館には僅か11名の外交官僚が勤務しているだけである。

ロシア大使館で活動している官僚の多くが軍参謀本部情報局(GRU)のメンバーであることも明らかになっている。(以上、6月23日付「インフォバエ」から引用)。

世界のロシア大使館で諜報員が最も多く集結しているのがメキシコ

米国の元大使で安全保障の専門家であるジョン・フィーレイ氏は「メキシコ(大使館)の外交官僚の多さは、通常の大使館でやるような任務だけやっているのであれば、それだけの人数は必要ない」と述べ、「諜報員は常に外交特権を持っている」とも付言した。

昨年3月の米国上院軍事委員会に出頭したアメリカ北方軍司令官グレン・ヴァンヘルク空軍大将も「世界でロシアの諜報員が最も多く集合しているのがメキシコだ。米国にアクセスする機会を狙って影響を与えることができるように監視している」と述べた。(6月3日付「インフォバエ」から引用)。

これだけの諜報員がロシア大使館に勤務しているというのは、それが対米国を睨んだものであるというのは明白である。彼らは米国に潜んでいるロシアの諜報員との接触もこれで容易になる。

しかも、メキシコにはカウンタースパイのシステムがほぼ存在していないということで、ロシアにとってメキシコは好都合な国となっている。