暴れるクルド人は「偽装難民」
埼玉県の川口市で、クルド人の暴動が相次いでいる。川口や蕨にはクルド人が集団で住み、スラム街ができている。暴動のほとんどは仲間内の喧嘩だが、警官に暴力を振るうケースもあり、市内の病院には約100人が搬送されている。
日本とトルコは相互に査証免除しているため、多くのクルド人は短期滞在で入国し、そのまま居座っている。労働ビザはないので不法就労だが、3Kの仕事にはそれなりの需要があるので、低賃金で労働し、帰国を命じられると難民申請を繰り返し、強制送還をまぬがれてきた。
それが入管法改正で難民申請が2度までに制限され、不法滞在の取り締まりがきびしくなったため、警察とのトラブルが増えている。マスコミは「難民を救え」とキャンペーンを張っているが、クルド人の大部分はこういう偽装難民である。トルコ国内では差別を受けているが、戦争が起こっているわけではない。ビザ免除をやめ、不法滞在は強制送還すべきだ。
しかしウクライナ戦争で発生した難民は、累計で807万人にのぼる。ポーランドは156万人、ドイツは105万人を受け入れたが、日本はわずか2300人。国連は受け入れを要請しているが、日本の入管は審査がきびしく、合格率は1%。何年も待たされることがあるので、申請も少ない。
東アジアで難民問題が起こるのはこれからだ。台湾有事になると、数十万人が日本に難民申請する可能性がある。日本は旧宗主国なので、今のEUと同じ立場に置かれるが、移民を大量に受け入れた経験のない日本が、短期間に数十万人の難民を受け入れることは困難だ。
移民問題は国内に亀裂を作り出す
フランスではアラブ系住民の暴動が続いている。これまでEUが膨大な難民を受け入れてきたのは、彼らが中東を植民地化した贖罪である。特にドイツはホロコーストで多くのユダヤ人を中東に送り込んで紛争の原因をつくった罪があるので、ほぼ無制限に難民を受け入れている。
しかしイスラム移民は国家に対する帰属意識がなく、アラーの神に従って行動するので、政府がコントロールできない。無原則に移民を増やすと、都市の一部に固まってスラム化する。移民を排斥する極右政党が成長し、社会に深刻な亀裂が生まれるというのがヨーロッパの経験である。
日本に住んでいる外国人労働者は約182万人で、労働人口の約2%。これはEU諸国の外国人労働者が12~15%にのぼるのとは大きな違いで、増加率も頭打ちだ。5年の期限つきで家族も呼べないという条件では、来てくれる労働者がいないのだ。
移民による分断は後戻りできない
政府が移民を増やす理由は人手不足だが、3Kだろうと激務だろうと、賃金を上げれば人は雇える。財界が移民を求めるのは、低賃金労働を輸入して、劣悪な労働条件と非効率的な企業を守るためだ。それがヨーロッパのたどった道である。
業種別にみると、建設・医療・介護は人手不足が深刻だが、一般事務は慢性的に過剰雇用で、企業別にみると、人手不足は地方の中小企業に集中しているが、規制や補助金で守られているため、淘汰されない。人手不足の原因は、こういう労働市場のゆがみである。
このゆがみは、コロナで拡大した。雇用調整助成金の申請は400万件を超え、支給額の累計は4兆円を超えて雇用保険会計は破綻に瀕している。これで失業は防げるが、社内失業は500万人ともいわれる。
それを改革しないで低賃金の外国人労働者を増やすと、社会の分断が深刻化し、クルド人のようにスラム化して暴徒になる。ヨーロッパはもう後戻りできないが、日本はこれからよく考える必要がある。