米国の俳優が加入している全米俳優組合がストライキを開始しました。これにより、俳優たちによる映画のプロモーション活動などが停止され、映像制作のメッカであるハリウッドが閉鎖されます。
早速ストの影響が出ています。
脚本家たちも待遇改善を求め俳優組合より前にストに入っていました。この二つの労組が同時にストを行うのは63年ぶりだそうです。
63年前に俳優たちによるストが行われた際、それを指揮していたのが後に米国大統領となるロナルド・レーガンでした。
本当に奇妙なトリビアだが、1日以上続いた最後のSAGストライキは、ロナルド・レーガンが主導した。
今回のハリウッドで勃発したストの背景にはストリーミングサービスの台頭が一因としてあります。
そのことから今回のストは「ネットフリックス・ストライキ」とも呼ばれており、俳優たちはネットフリックス社の前で声を上げています。
俳優組合SAG-AFTRAが契約交渉の失敗を受けてストライキを発表したため、抗議者たちがネットフリックスの前に集結した。
英エコノミストによると、スト参加者は配信業者が視聴者データーを秘匿にしていることを問題視しており、そのせいで作品がどれぐらいヒットしたかが把握できず、俳優たちが正当な対価を要求することができないと主張しているようです。
映像制作会社が俳優をそもそもAIで代替しようとしていたこともストの要因としてあります。AIは自動化できる作業だけではなく、演技などのクリエイティブな仕事も将来的には奪っていくようです。
今回のハリウッドでのストはただ俳優や脚本家たちが待遇改善を求めるものではなく、AIと向き合う今後の社会考える上でも示唆に富む機会です。