ゼレンスキー大統領がクリミア半島南部とロシアを結ぶクリミア大橋が「攻撃目標」であり、「破壊」されるべきだと明言しました。
そもそもクリミア大橋はロシアが不法にウクライナから奪った領土であるクリミア半島に架けられたものです。
通行停止となったクリミア大橋 NHKより
また、クリミア大橋を経由してロシアがウクライナを攻撃するための戦略物資が運ばれているため、自国を守るためにこの橋を攻撃することはウクライナにとっては当然の権利であり、正当防衛の一環です。
クリミア大橋が攻撃目標であるとはっきり述べたゼレンスキーですが、ウクライナは以前からクリミア大橋への攻撃を繰り返しています。
去年もクリミア大橋が破壊される事件が起きましたが、その時のウクライナ政府はロシアの「自作自演」を主張していました。
最終的にウクライナがクリミア大橋を破壊してまで達成したいのがクリミア半島の奪還です。しかし、クリミア半島には現在50万人から80万人のロシア人が在住しているそうで、仮に奪還作戦に成功しても、それらの住民の対処という問題が浮上します。
ヴォロディミル・ゼレンスキー大統領のクリミア担当常任代表であるタミラ・タシェワ氏は7月16日、『ニューズウィーク』誌に対し、ウクライナは併合後にクリミアに不法入国した推定50万人から80万人のロシア市民に対処しなければならないと語った。
頻度が増すウクライナによるクリミア大橋への攻撃ですが、これに対しロシアがどういう対応を取るかで、クリミア半島をめぐる戦況に影響が出てくるかもしれません。