仕事や勉強の伸びしろを決めるのは「知的好奇心」

黒坂岳央です。

正しい方法論で努力をすれば、誰でも知識なりスキルを身につけることができる。確かにこれは事実ではあるものの、途中から伸び悩む人、さらにドンドン伸びていく人にわかれる。この差は一体なんだろうか?それが「知的好奇心の有無」だと思うのだ。

長期的には生まれ持った知性や技術力、努力量以上に知的好奇心で差がつくと思っている。持論を述べたい。

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知的好奇心があるから知識、スキルを深掘る

「目標を立て、最短距離でそれを達成することこそが唯一の最適解で大正義」という風潮がある。英語ならカッコよく英会話を披露したいとか、YouTuberならチャンネル登録者10万人達成するとか、ビジネスや投資なら資産1億円を突破するといった明快な目標である。

そして目先の目標を到達した後はそこからまったく伸びなくなる人がいる。気持ちは分かる。とりあえず目標達成をしたことで満足し、より高みを目指す目的も持てずといったところだろう。

しかし、知的好奇心があれば目標の達成有無に関係なくずっと伸び続ける。自分の話について言えば、元々英語の勉強を始めた動機は「英語力を活かして国際的な職場で仕事をしたい」ということだった。米国系外資で働き、とりあえずの夢は叶った。だが、その後も英語が好きでプライベート、ビジネスで使い続けて来た結果、様々なチャンスを経て英語を教える仕事につながったり、複数の海外向けYouTubeチャンネル運営の仕事をしている。興味、関心がここまで自分を引っ張っていってくれたという感覚がある。

また、仕事についても「単なるお金を稼ぐ手段」という感覚ではなく、相手から感謝されたり、感情を動かすにはどのように心をつかめばいいか?大勢の前で話をしてその場を大きく盛り上げるようなトークをするにはどういった技術や振る舞いが必要か?といった話術の深掘りに挑戦し続けている。その結果、講演に呼んでもらったり自然と人前で話すチャンスが降ってきて、結果知識や経験、スキルアップにつながっている。

レベルを高めたければ、何よりも知的好奇心が一番重要だと思うのだ。

興味なくして創造はありえない

コンテンツやアートなど、クリエイティブな仕事をする上ではその分野に興味関心がないと絶対にできない。だから創造系の仕事をする人は「仕事で仕方がなく」という感じではなく、「仕事、プライベートの時間関係なく、とにかく興味があるから触れ続ける」といったコミットメントが必要だと思っている。

自分の場合は記事を書いたり、動画を出したり、人前で話すことをしているが、その内容はいずれも「経験・知識・スキル・実績」の4つとも揃っていることしかできない。たとえば本やネットの情報だけをかじったはいいものの、未経験で何の実績もない分野のことは何も書けないし話せない。英語やビジネスといった分野なら何時間でも話し続けられるが、たとえばネイルやキャバクラといった未経験分野のことは一言もコメントできないし、たとえネット記事をかじっても2-3記事以上は書けないだろう。

これは法務だろうが経理だろうがマーケティングだろうが、あらゆる仕事でも通じると思っている。「稼げればなんでもいい」で飛び込んでも、興味がない分野はやっていて苦痛だし、余暇時間に積極的に知識や技術を学ぼうとも思わない。だからライバルに差をつけられてしまい、仕事でパフォーマンスが出せないから最初から撤退することが約束されているようなものである。

仕事でも勉強でも、やる以上はドンドン知識や技術を伸ばしたいと思うものである。しかし、「市場価値がある仕事だから」とか「今学んでおくと将来有利だから」といった条件だけで選んでも興味がないから続かない。だから学びたい分野、仕事をする分野は「知的好奇心が持てるか?」を必ず確認するべきだと思っている。

 

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ビジネスジャーナリスト
シカゴの大学へ留学し会計学を学ぶ。大学卒業後、ブルームバーグLP、セブン&アイ、コカ・コーラボトラーズジャパン勤務を経て独立。フルーツギフトのビジネスに乗り出し、「高級フルーツギフト水菓子 肥後庵」を運営。経営者や医師などエグゼクティブの顧客にも利用されている。本業の傍ら、ビジネスジャーナリストとしても情報発信中。