チャンスを掴むのは、毎日「素振り」してる人

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代々木上原にあるイノベーティブレストランsioに出かけました。

文春砲で話題となったオーナーで料理人の鳥羽周作さんと女優の広末涼子さんが出会って、「気持ちくさせた」ことで全国的に有名になったお店です。

不倫騒動の結果、オーナーの鳥羽さんは経営の第一線からは退くと言われており、この日のお店にはオーナーはおらず、営業していました。

カリスマオーナーシェフがいなくなり、一連の騒動もあってスタッフのモチベーションが低下しているのではないかと懸念したのですが、全くの杞憂でした。

接客するスタッフはホスピタリティーに溢れ、中村俊也シェフの料理も、極めてハイレベル。トラブルに巻き込まれた店とは思えない素晴らしい空間でした。

人気のオーナーシェフが急にいなくなるのは、野球で言えばチームの4番バッターがいきなり戦線離脱するようなものです。

チームにとってはピンチですが、控え選手にとっては代打として結果を出すことで自分を成長させることができるチャンスです。

しかし、普段しっかり練習もしないで、いきなり打席に立ってもヒットを打つことはできません。

打席に立つ機会がない時から、毎日素振りを繰り返す。日頃の地道な努力が、突然やってくるチャンスに花開く原動力になるのです。

sioのスタッフには、そんな日ごろからの自己研鑽を欠かさない職人気質を感じました。自分のやるべき仕事をきちんとこなして、日々成長する姿勢です。

だからオーナーシェフがいなくなっても動揺せず、前回お邪魔した時よりも、むしろ生き生きと働いているようにさえ感じられたのです。

仕事をしていて、チャンスに恵まれないと、すぐにふてくされて努力を止めてしまう人がいます。

一方で、周囲からの評価に関係なく、コツコツと努力を続けられる人もいます。

突然のチャンスがやってきたとき、どちらが成功するかは明らかです。

野球の試合で、いきなり代打を告げられるように、仕事で責任のある役割を与えられた時、躊躇なく受けられるよう常に準備をしておく。

成功を掴むためには、毎日の「素振り」を欠かさないことが大切なのです。


編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2023年8月9日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。