帝国ホテルの優雅な空間で出会う最高のフレンチ:レ セゾン

出口 里佐

出口里佐です。

本日は、日比谷駅から徒歩で5分ほど、帝国ホテル2階のフランス料理レストラン、レ セゾンをご紹介します。

帝国ホテル二階、レ セゾンのエントランス

フランス料理が好きな方でしたら、レ セゾンは、日本で正統派のフランス料理を味わいたいと思った時に最初に思い浮かぶお店ではないでしょうか。今回はランチで、友人達と3人で伺いました。レ セゾンは、2年ぶりくらいです。内装が落ち着いた感じで、静かに食事を楽しむのにふさわしい空間です。

レ セゾンに入ってすぐの、待合スペース。
重厚な雰囲気で、ここに座ると想像しただけで背筋がピーンと伸びます。

帝国ホテルのレ セゾンのサイトから、席のみの予約で、お料理はメニューを観てから注文しました。

メニューは、前菜、メイン、デザートの3皿の10,000円(平日のみ)、メインが肉と魚で4皿の13,000円、前菜が更にもう一つ増えて5皿の16,500円、5皿の豪華版の24,000円の4つのコース。

肉も魚も食べたい私は、4皿のコースを選びました。乾杯の飲み物は、友人たちはスパークリングワイン、私はノンアルコールのスパークリングワイン。

前菜の前にアミューズとして、蓋にレ セゾンの名前が入ったキャビア用サイズの缶に入って、氷入りの器の上に登場したのは、ビシソワーズのような冷製クリームのなかに毛蟹のお料理。お醤油の粉末の様なのがトッピングされていて、アジア風の味わい。シェフはフランス人だそうですが、フランス料理の枠にとらわれないで、美味しいものは取り入れていれてみようという方なのでしょう。これは、ワインが進みそうです。

アミューズ

前菜は、色とりどりのトマトコンフィ、モッツァレラのシャンティ、アンチョビクリームに柑橘のアクセント。

前菜 トマトのコンフィとモッツァレラチーズ

メニューにはこのように書いていましたが、友人が、この緑色のクリームは何だろう、アンチョビではないみたいだけど、と言うので、私も再度それを舐めてみると、何となく、タイ料理などで使うバイマックルー(こぶみかんの葉)に似ていたので、サービスの方にお尋ねすると、それについては聞いてなかったので、キッチンに確認しますと。後で、帰り際に、やはりバイマックルーでしたと教えてくれました。一皿のなかに、最高の味になるように、野菜、ハーブを組み合わせて、多過ぎても少なすぎてもいけない絶妙の配合によって、常に新しい料理を生み出しているのがわかります。

魚のメインは、バジルを纏った縞鯵の炭火焼き、枝豆のニョッキ、ズッキーニとパプリカを合わせて。

縞鯵の炭火焼き、枝豆のニョッキ、パプリカとズッキーニの花

使われているズッキーニは、花の部分。日本では珍しいですが、南仏やイタリアでは、花にリゾットを詰めたり、花自体をベニエ(天ぷら)にしたりして食べます。こういう料理をいただくと、レ セゾンに来て良かったと思います。

お魚の火入れは抜群で、外側はパリッと、中はしっとり。お魚の下に隠れていたトマトは、菱形にカットされていました。昔、フランス料理の学校でトマトを菱形にカットする実習をして、それを思い出しました。帝国ホテルは、本当にクラシックな伝統を守っていると感動します。

お肉のメインは、緑茶と昆布でマッサージされた沖縄アグー豚のロース肉。マッサージされているだけあって、お肉は柔らかで、旨味も染みこんで、しっとり。黒トリュフ入りのジュのソースとジャガイモのピューレと一緒にいただきました。

緑茶と昆布でマッサージされた、沖縄アグー豚のロース肉

デザートは、軽く仕上げたプラリネノワゼットとフランボワーズのソルベ。真っ赤なフランボワーズのソルベと金箔付きのフレッシュフランボワーズに、細かく散らされた、ライムの皮の緑がコントラスト。まずは、愛でてから、スプーンで割ると、中から美味しそうなプラリネノワゼットのクリーム。写真を見るだけでも、またいただきたくなります。

軽く仕上げたプラリネノワゼットとフランボワーズのソルベ

帝国ホテルのシンボルともいうべき、真っ赤な薔薇の装花をレ セゾンだけでなく、以前アフタヌーンティーで訪れた、上層階のアクアというお店でも観ました。プリザーブドフラワーだそうです。造花にしてはリアルだし、ドライフラワーにしては、色が鮮やかだなあと不思議に思っていました。

真っ赤な薔薇のプリザーブドフラワー。冬には、一階ロビー階段前に大きなものがクリスマスツリーとともに飾られます。

現在、一階ロビーの階段前のお花は、夏らしくヒマワリ。この場所にも、冬の時期は、真っ赤な薔薇の1000本のプリザーブドフラワーが、生のモミの木のクリスマスツリーとともに登場するそうです。こちらは、記念撮影スポットらしく、皆さんが入れ替わり立ち替わり、写真を撮っていました。帝国ホテルらしく、海外からのお客さん達が多かったです。

現在の夏用の一階ロビーの装花。観光客の写真スポット。

東京に住んでいると宿泊する機会はあまりないかもしれませんが、季節ごとに、素晴らしいお料理だけでなく、空間自体を楽しみたいホテルです。ぜひ、大切な方と訪れてみてください。

レ セゾン