てっぺんを取りたいなら「ゲームチェンジャー」になりなさい

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本日から日本橋三越で実業家でアーティストの長坂真護さんの展示会が開催されます(写真はプレ展示会にて)。

 

真護さんはアートと資本主義を結びつけることで、世界の環境問題を解決するという大きなビジョンに挑戦し続けています。

ガーナに廃棄された先進国からの廃棄物を素材にしています。作品が売れれば、ゴミが減る。しかも、売上を環境問題解決や子供の教育の資金として活用できるという仕組みです。

アートの販売が資本主義の問題解決に繋がるという「サスティナブル・キャピタリズム」を実現しています。

アートの世界には、真護さん以外にも世界中に素晴らしい作品を生み出す作家さんはたくさんいます。また、アートを通じて社会に問題提起するバンクシーのようなメッセージ性の強いアーティストもいます。

でも、バンクシーの作品を購入しても社会は変わりませんが、真護さんの作品を購入すれば、それが社会を変える力になります。

バンクシーは評論家に過ぎませんが、真護さんは実践家だからです。

アートによって社会の問題解決まで実現しようと活動するアーティストは、私の知る限り真護さんだけです。他のアーティストを一気に飛び越えた創作活動です。

ここで思い出すのが、以前もこのブログで紹介した北九州の戸畑にある照寿司さんです。

照寿司の大将の渡邉さんは、地元の仕出しと出前のローカルな寿司店を引き継ぎ、SNSの発信によってあっという間に世界一有名な寿司職人になりました。

世界中からプライベートジェットで戸畑までわざわざお寿司を食べにくる。その理由は、お寿司のクオリティは当然のこと、エンターテイメントを掛け算しているからです。

気難しい職人気質の大将に気を遣うような老舗とは真逆に、ずば抜けたホスピタリティによって、世界のインフルエンサーを虜にする。

それによって既存の寿司業界のヒエラルキーを一気に飛び越えてしまったのです。

真護さんと渡邉さんに共通するのは、既存の業界の土俵で競争するのではなく、ゲームチェンジャーとして、てっぺんを取りにいっていることです。

富士山の山道を歩いて登るのではなく、ヘリコプターで一気に頂上に到達する。そんな爽快な感覚です。

もちろんお2人とも、影では血の滲むような努力を積み重ね、過去のたくさんの試練を乗り越えてきた強靭な精神力を持ち合わせています。

今週日本橋三越お会いした真護さんからは、大きなエネルギーをもらいました。

今週末には北九州で渡邉さんのお寿司を貸し切りで食べに行ってきます。今度は渡邉さんからもパワーをもらってきます。


編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2023年8月23日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。