日本人に増税するなら、訪日外国人に課税せよ

世の中はコロナウイルスがあったことを忘れたかのように、人々が激しく移動を開始しています。日本国内でも外国人観光客を見かけることが珍しくなくなってきました。

写真は私が経営するSHINOBY’S BAR 銀座の前の通りですが、夜の10時近くになっても路面のラーメン店には行列が絶えません。会話を聞いているとそのほとんどは外国人です。

お店が繁盛することは良いことですが、この三原通りのどの店の前の歩道にも外国人が溢れ、歩けないくらいになっていることもあります。

京都では地元の人たちの公共交通手段である市バスに観光客が乗り込んでくるようになって慢性的な混雑になっていると聞きました。

いわゆる「オーバーツーリズム」の弊害が、目立つようになってきています。

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訪日外国人は円安を享受して、SNSで集めた情報を使い、ジャパンレイルパスなどの割引チケットを使って日本中を訪問しまくっています。その社会的なコストを、ある程度は負担してもらっても良いのではないでしょうか。

例えば、入国税という形で入国した空港や港で支払ってもらう。課税が難しいなら、入国税ではなく、アライバルビザの発行コストとして徴求する手もあります。

例えば、カンボジアでは外国人が入国する際に、観光であっても36ドル(約5400円)支払ってビザを取得する必要があります。

日本も同じようにE-Visaを事前登録してもらい、70ドル(約1万円)くらいを徴収する。

訪日外国人が年間3,000万人として、1万円を払って貰えば、年間3,000億円の収益となります。財政赤字の多少の最善と、オーバーツーリズムの解消のための施策としては悪くはないと思います。

これから観光シーズンに入って、観光地の混雑は更に激しくなると予想します。需要過剰の状況を緩和するために、需要を抑制するための価格コントロールを行うべき段階に来ているのではないでしょうか?


編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2023年10月3日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。