晴海フラッグ人気の影に隠れる「3つのアクセス問題」

東京オリンピック選手村跡地のマンションとして知名度が高まっている晴海フラッグ。周辺に比べ坪単価が安いことで、実需だけではなく、投機的な資金も流入し、購入の競争率が高まり過熱しています。

いよいよ来年の1月から入居が始まります。私も引っ越す予定で準備を進めていますが、人気の影に隠れ、実は交通アクセスに関して様々な問題があることがわかりました。

まず、駐車場問題です。

駐車場の確保率が低く、希望者全員に割り当てがされていない状態になっています。

敷地の中には、一般の賃貸駐車場は存在せず、抽選に外れた場合、車なしの生活を余儀なくされます。

こちらは設計段階での需要予測の失敗と言えるのではないでしょうか?

次にタクシー問題です。

これは以前のブログにも書いた事ですが、タクシー乗り場が設定されておらず、雨の日などに気軽に乗ることができなさそうなことです。

住民にとって1番ありがたいのは、地下の駐車場スペースにタクシー乗り場を作ることです。そうすれば雨に濡れず、自宅から直結でタクシーに乗れて快適です。

今後改善されていくのかもしれませんが、雨の中でタクシー難民にはなりたくありません。

更に、鳴り物入りで導入されたBRTにも不安があります。

BRT(バス・ラピッド・トランジット(Bus Rapid Transit))という名の通り、通常のバスよりスピーディーに輸送ができる交通システムですが、一般道路通っているのではそれほどメリットがありません。

実際に運行が始まって、通常のバスと比べどの程度の快適性があるのか。今のところ不透明です。

新橋や虎ノ門に数分でアクセスできれば、大きな価値となりますが、渋滞に巻き込まれてしまえば、時間が読めない交通手段になり下がります。

晴海フラッグは、勝鬨と豊洲の間という距離的には利便性の高い立地ですが、交通アクセスが悪ければ「陸の孤島」になってしまいます。

駐車場問題はもはや根本解決できませんが、タクシーとBRTに関しては、住民本位で柔軟な対応をしてほしいと思います。


編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2023年10月19日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。