60歳を超えたら株式投資で「消耗する」のはやめなさい!

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今までたくさんの個人投資家の方からの資産運用の相談を受けてきました。

投資でうまくいかない人の原因は、大きく2つあります。

1つ目の失敗は、投資している対象自体がそもそも投資してはいけない商品になっている場合です。

手数料の高い金融商品や、ネット上で紹介されている品質に問題があったり、価格が割高な不動産のような実物資産は、そもそも投資商品として手を出してはいけないものです。

これらの商品はリスクを取って投資をしても、リターンが得られる可能性が低く、割りに合わないものなのです。

もう1つの失敗は、商品自体は良いものであっても、それが自分に合った投資商品の選択になっていない場合です。

例えば、株式投資(あるいは株式を組み入れた投資信託の購入)は、20代、30代であれば積極的に行うべきですが、40代を超えたあたりからはアセットアロケーションに占める比率を徐々に下げていくべきです。

そして、リタイアを迎えて年金生活が始まる60代になったら、株式の比率をゼロに近づけるのが理想だと思っています。

なぜなら、この世代になればキャピタルゲインよりも定期的な収入を得られるインカムゲインを投資の収益の中心にすべきだと思うからです。

年金を受け取りながら、株式投資をして、日々の株価の変動に一喜一憂する。趣味であれば否定はしませんが、資産運用という観点では賢明とは言えません。

もし、株価が急落すれば老後のライフスタイルが大きく狂ってしまうからです。

もちろん株価は永遠に下がる訳ではなく、暴落したとしても再び上昇する可能性が高いと言えますが、それには時間がかかります。シニアにはその戻ってくるまでの時間を待てる余裕がないのです。

シニアがやるべきインカム投資の代表商品が、債券と不動産です。

しかし、債券の場合、海外はともかく国内に関しては市場金利がまだ低く、充分な金利収入を確保できません。

国内に関しては、債券よりも不動産です。家賃収入であれば、株式のようにマーケット環境に関係なく定期に得ることができます。賃貸需要の強いエリアに分散して物件を所有すれば、空室リスクもミニマイズすることができます。

早めにお金を借りて、不動産投資を始めて、ローンの返済を優先して行い、リタイアするまでにローンの返済をほぼ終わらせる。ローンの無い都心中古ワンルームマンションを3戸所有できれば、毎月20万円程度の追加収入を得ることができます。

あるいは、退職金でまとまった資金が得られる人は、それを不動産の購入資金に使って現金投資を行うことも可能です。この場合、購入した日から家賃収入をローンの返済に回す必要はなく、自分で使うことができます。

60歳を超えたら株式投資で消耗するのはやめなさい!これが、シニアに対する私からのアドバイスです。

具体的な方法を知りたい方は、来週開催されるこちらのセミナーにご参加ください。シニアだけではなく、若いうちから老後のお金の準備をしたい20代、30代の参加も大歓迎です。


編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2023年10月28日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。