新NISAでもやることは今までと何も変わらない

来年から始まる新しいNISAに関する報道が増えています。それと共に、NISAの活用法を教えるセミナーも増えているようです。

しかし、ここで間違えてはいけないのは、NISAというのはあくまで税制上の優遇制度であって、投資方法については今までの資産運用と何ら変える必要がないということです。

NISA公式キャラクター つみたてワニーサ 金融庁HPより

NISAのセミナーだからといって、「誰でも1億円作れる」といった夢のような投資手法を紹介する怪しいセミナーに騙されてはいけません。

金融資産の運用の基本は、インデックスファンドによる長期分散投資です。

具体的には、ネット証券に口座開設して低コストのインデックスファンドを選択して、毎月の定額積み立てで資産を構築していく。極めてシンプルな方法です。

新しいNISAにおいても、この方法を淡々と続けるだけで良いのです。来年からの新NISAを使えば、最大毎月30万円のインデックスファンドの積立が可能です。

また、NISAはやらないよりもやったほうが良いですが、それだけでは十分な資産形成ができない。これが「不都合な真実」です。もちろん投資ですから、投資した金額が目減りする可能性もゼロではありません。

だから、金融資産で資産を増やすだけではなく、キャッシュフローと呼ばれる定期的な収入源(インカムゲイン)を作ることが必須です。

そのためには金融資産だけではなく、毎月の家賃収入が得られる不動産を始めとする実物資産も並行して活用すべきです。

そして、「お金を借りる力」がある人は、その力も活用することで、少ない自己資金でも効率的な投資が可能です。上手に活用することで、さらにお金の不安を解消していくことが可能です。

私は、来年からの新しいNISAでも、今までと同じように、マネックス証券の投資信託積立を活用して、自動的に資産を積み上げていくつもりです。

それと並行して、安定したインカム収入が狙える、実物資産を増やし、自由なお金だけではなく、自由な時間も手に入れようと思います。

株式の個別銘柄で一攫千金を狙うような投資手法はどこかで落とし穴に陥ります。お金のアドバイスをする人がいたら、その人自身がどのような資産運用をしているかを聞いてみてください。

人には勧めるが、自分はやらない。そんな人の言うことを信じてはいけません。


編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2023年11月25日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。