面倒な仕事は来年から「ChatGTP」がやってくれる

ChatGTP(チャット・ジーティーピー)の技術を使って、ビジネスを展開しているベンチャー企業の創業者の方とお話をする機会がありました。

ChatGTPは、これからの世の中を変える可能性がある革新的なテクノロジーである事は誰でも知っていると思います。

問題は、その技術をどのようにしてマネタイズしていくかです。

商品化を目指している会議用のソフトウェアのデモンストレーションを見せてもらいました。いや、正確に言えば使わせてもらいました。

実際にズームでミーティングを行っている間、このソフトウェアを起動してもらい、リアルタイムで実験をしてもらったのです。

このシステムは、ズームミーティングで音声を認識しながら誰がしゃべったか識別し、それぞれの人の発言を発言者別に全て活字に起こしていきます。

さらに、驚いたのはそのテキストの下に、英訳された内容がリアルタイムに表示されていったことです。

例えば英語と日本語のミックスでミーティングをしても、日本人は英語の翻訳、外国人は日本語の翻訳を瞬時に確認できます。

英語だけではない数十か国語に既に対応しているとのことです。

そして、ミーティングが終了すると、すべての発言を分析して、箇条書きになった議事録があっという間に作成されました。

驚いたのは、音声認識の正確さ、翻訳能力の高さ、そして要約能力の素晴らしさでした。言語認識能力の高さはテクノロジーのレベルの高さを示しています。

このソフトウェアを使えば、従来は数日かかっていた議事録作成が数十秒でできてしまう。しかも、人間が作成するよりも正確でわかりやすい。

このシステムは貸し会議室の会社に来年から導入されるようですが、そうなれば、自国語以外話せなくても問題はなくなり、そもそも通訳は必要なくなります。

また、議事録をまとめるだけに会議に参加する事務方の人たちは不要になります。人間がやるよりスピーディーでレベルが高いからです。

今まではテクノロジーに詳しい一部の人だけが実験的に使っていたChatGTPは、来年からいよいよビジネスに実装される段階に入ります。

手書きの資料がパソコンに置き換わったり、駅の改札が駅員ではなく、自動化されたように、多くの仕事が、これからChatGTPに置き換えられていくことになるでしょう。

面倒な仕事はみんなChatGTPがやってくれる。それはとてもありがたいことですが、人間がやる仕事は果たしてどこにあるのでしょうか?

1990年代のインターネットの普及時に感じたのとと同じような、世の中を変える大きなテクノロジーの波が襲っていることをリアルに感じました。


編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2023年11月27日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。