お正月を休まず働く人の論理

黒坂岳央です。

年末年始、当たり前だが多くの人は休日になる。2022年の就業者数は6723万人であり、その内の就業者の89.9%は雇用者、つまりはサラリーマンである。年末年始が書き入れ時となるサービス業を除けば、大部分の人が休日で休んでいるのは印象ではなく事実としてそうだ。

「休むことも大事」みたいな話があるが、筆者の場合年末年始に休んだ記憶がなく、ずっと働いてきたので「年末年始は休むもの」という主張にしっくりこない。今は家事育児で忙しいので平日のように働けないのだが、それでも休みたいとはまったく思わないのだ。むしろ、年末年始は仕事や勉強にあてたいと思っている。

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年末年始は遊びに適さない時期

年末年始は、明らかに遊びに行くのには適さない時期である。学校が休みになった子供を連れて外出をしても、どこへいっても混んでいる。普段はスカスカの公園ですら、すべり台の順番待ちを作っているし子連れで行けるランチやディナーの店では1時間待たされることもザラである。どこもかしこも混雑している上、さらに金額まで高い。これでは悪いことづく目だ。

年末年始は遊びに行くには適さないが、その一方で仕事や勉強には大変向いている。筆者はサラリーマンの頃、年末年始に自ら希望して出社することが多かった。職場には誰もおらず、自分一人だけということもあって本当に集中して仕事ができた。普段は電話が鳴り、周囲に質問をされて頻繁に集中を中断されて落ち着かない同じ職場とは思えないほど静寂だ。専門書を開いてしっかり調べながら作業に集中できたので、年末年始は最高に仕事をしやすい環境が整っていた。サラリーマンでない自営業者も「休みは1月下旬にずらせばいい」と考え、この時期はビジネス戦略を立てたりすることに時間を使えばいい。

そんなに休みって必要?

「普段はハードに働いているのでお正月くらいゆっくりしたい」みたいな話があるが、「体と心を休める」という目的ならそんなにたくさんのまとまった休みは必要ないだろう。

1日8時間寝るとして16時間、それが1週間だと112時間の自由時間だ。冷静に考えれば112時間も休息にあてなければ回復しない疲労など大部分の人には当てはまらないし、この時間を使えばそれなりに大きなことができる。ただ休むだけだと、かえってエネルギーを持て余してしまい、ダラダラ過ごして休みが終われば「もっと有意義、生産的なことに使えばよかった」とならないだろうか?

それなら最終日だけ丸一日を休みにあて、残りの日を普段は細切れでしかできなかった仕事や勉強にあてる方が合理的に思うのだ。自分はずっとそうしてきて、途中から「年末年始は働くもの、まとまった時間を有意義な活動にあてるボーナスタイム」と思うようになった(今は子供の世話で身動きができないが…)。

「年末年始=長期休暇」というのが、一般的な慣習だと思うがただ休んで終わりだともったいないと思うのだ。むしろ、年末年始の時期こそ精力的に仕事をしたり勉強をすることに使い、平日にはなかなかできなかったことに活用したい。もっとも、サービス業や主婦(夫)業は年末年始の方が平日より大変なのだが…。

 

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ビジネスジャーナリスト
シカゴの大学へ留学し会計学を学ぶ。大学卒業後、ブルームバーグLP、セブン&アイ、コカ・コーラボトラーズジャパン勤務を経て独立。フルーツギフトのビジネスに乗り出し、「高級フルーツギフト水菓子 肥後庵」を運営。経営者や医師などエグゼクティブの顧客にも利用されている。本業の傍ら、ビジネスジャーナリストとしても情報発信中。