嵐の前の静けさ?自民党裏金問題の行方は?

今年初めての「今週のつぶやき」です。今日もぶつぶつ呟いてみます。

能登半島地震ですが、被害が思った以上に広がった原因の一つが住宅が耐震構造になっていない点でした。全国平均87%に対し、珠洲市は51%に留まっていたようです。補助金もあったのに、と言われますが、住み慣れた家であるがゆえに金もかかるし、そんな面倒なことはしないというのは人間の心理。そもそも「こんな家に金かけてどうするの?」という意識もあったでしょう。

行政と住民の心理のギャップです。いくら持ち家でも非耐震構造の住宅は半ば強制的に移住を進めざるを得ない時が来たのだと思います。命の方が大事ですから。

では今週のつぶやきをお送りします。

上がりたそうな株価

24年第1週の市場が始まりました。1月2日にオープンした北米市場は上がりたいのだけど頭を押さえられている、そんな相場つきです。明らかに材料待ちです。

来週開催の世界最大のエレクトロニクスショー、CESがラスベガスで始まりますが、主テーマはAI、というかAIがなければ参加資格なしぐらいの勢いです。我々の生活に生成AIがどれぐらい密接にかかわるかを占う場になりそうです。日本勢もLLM(大規模言語モデル)で基礎開発を終えている企業はずらり並びます。要は使い方をどう展開するかにかかってきます。日本語は特に難しいので日本では日本語LLMが有利ですが、世界では通用しない点は気になります。

本日発表になった12月雇用統計は事前予想より良かったのですが、11月分が下方修正されたので相場には影響はあまりないとみています。自動車産業のストライキ終了での戻り分が反映されている点もあります。

北米では実感として雇用が良いという気はしません。日本から来たワーキングホリディの若者は皿洗いの仕事すら見つからない状態です。「海外は稼げる」と聞いて戦前、船に乗って北米や南米に楽天地を夢見て移住した人たちが現地に到着して「唖然とした」というのと同じです。

で、株価ですが、個人的にはそれでもいずれ上に向かっていくとみています。専門家の注目は中国株、理由は安すぎるとのこと。私は一銘柄持っていますが、これ以上の中国関連株の買い増しはしません。

一方今週、数銘柄を新規に買い入れました。私の注目は銅でこれを産出している会社を複数回買い増し、あとはアメリカの住宅関連とカナダの航空機関連です。日本株はテーマが絞れていない気がします。かつては大手証券会社がある程度のリード役が出来たのですが、その影響力が無くなったのは痛いと思います。

嵐の前の静けさ?自民党裏金問題の行方は?

年末にあれだけ大騒ぎした自民党裏金問題は年が明けて大きなニュースの陰に隠れたこともありますが、話題としてはやや沈静化しています。想像するに第一次聞き取り調査が完了し、押収した資料の分析を急いでいるのでしょう。通常国会が1月26日頃から始まる見込みなのでもしも議員らに逮捕者が出るなら詰めを急ぐということでしょう。

私は思わぬ大物が逮捕される予感がしています。東京地検特捜部の今回の力の入れ方は相当だと思われ、そこまでするなら威信をかけての大物狙いになると思います。

一方、茂木幹事長は再発防止策案としてパーティー収入の議員還流の禁止、パー券購入の銀行振り込み化、収支を党で管理および透明性の拡大計画を軸としている旨、発表しました。これをベースに岸田首相が党の決定事項として来週にも発表するのではないかと思います。

こんなことは当たり前の話だったのですが、それを管理できなかったのはひと癖もふた癖もある議員の集まり、悪く言えば烏合の衆を羊飼いが派閥という名で囲い込んでいたともいえるでしょう。今だ雲隠れしている議員さん、今頃何を考えているのでしょうね。

ところで1月15日から日本共産党は党大会で24年間委員長の座に留まってきた志位氏が降りるのか注目されています。勇退するなら後任は田村智子副委員長とされます。早稲田卒業後「その世界だけ」に染まってきた58歳。今求められるのは様々な経験から来るキャリアの時代だけに志位氏の判断は注目です。

また公明党の山口代表は今年9月頃にある党大会で「後進に道を譲る」と明言しており、池田大作氏もお亡くなりになったことも含め、公明党にも大刷新がありそうです。今年の日本の政治はいろいろな意味でネタが尽きない気がします。

自民党本部 自民党HPより

嫌な予感がする北朝鮮の挑発

12月の北朝鮮の党中央委員会拡大総会で金正恩氏が南北共存は不可能と明言しました。日本ではさらっとしかニュースで扱われていませんが、これは極めて重大な方針転換の最終決断であり、これを日本を含めた外交筋が見逃すわけにはいきません。

金正恩朝鮮労働党総書記 北朝鮮HPより

朝鮮半島は北朝鮮からすれば「一国二制度」的猶予期間が長く続いており、緊張とその緩和が繰り返されてきました。ですが、今回、思想及び政策的断絶は明白でそれを修復することは不可能と明言したため、北朝鮮は今後、韓国を敵対視し、挑発を繰り返すことになるはずです。事実、北朝鮮との国境近くの韓国、白翎島と延坪島でいざこざが発生しました。

金正恩氏は昨年のプーチン大統領との会談以降、明らかにスタンスが変わり、政策に積極性が見られます。ロシアへの武器の供与を含め経済的に息を吹き返した感があります。但し、中国と北朝鮮の外交については明白な動きは見られない気がします。

中国は台湾問題を抱え、間もなくその選挙の結果がわかりますが、どういう結果にせよ習氏は実力行使はしないのではないか、と予想する向きもあります。そうだとすれば金氏と中国側は必ずしも政策的に同一歩調とは言い切れず、ロシアにそそのかされている感が濃厚になります。

韓国は春に総選挙がありますが、北朝鮮の挑発が続くようなら選挙情勢は全く変わります。また私が見る限り北朝鮮の不満とは韓国とアメリカのタッグマッチだとみていますが、それ以上何か求めているのか、ここがわかりにくいのです。自国の傘下に入れたいのでしょうか?

仮にロシアが北朝鮮の背後につき、中国も何らかの形でそれを支援するなら朝鮮戦争のチームが再び揃うという嫌なシナリオもあり得ます。そうなれば韓国は日本と友好にならざるを得ない、というオセロゲームが生じ、東アジアの行方は思った以上に緊迫しそうだというのも24年の注目点かもしれません。

後記
正月と言えば箱根駅伝、箱根駅伝と言えば我が母校。下馬評を覆して優勝させて頂きました。今までの諸先輩が卒業し、一時的なブランクを経て比較的新しいメンバーで臨んだ今大会の勝者は選手と共にやっぱり原監督の采配なのでしょう。「名将」に留まらず、人間的な奥行きを感じます。

監督の仕事は勝負を勝利に導くだけではなく選手のメンタルを浄化させ、カラダの奥底から湧き上がる前向きな気持ちを作り出す人望と才能を改めて見せたと思います。とにもかくにも優勝、おめでとうございました。

では今日はこのぐらいで。


編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2024年1月6日の記事より転載させていただきました。