飛行機搭乗時のペットの取り扱いについての議論が活発化している。1月2日、羽田空港で日航機と海上保安庁の航空機が衝突して炎上し、海保機の男性乗員5人が死亡した事故で、手荷物として貨物室に預けられたペットは救出できなかったという報道があったからだ。
事故以降、「ペット客室同乗」を訴える著名人の主張がネットに多く掲載されているように私は感じる。
例えば、俳優の石田ゆり子さんは、
いろんな意見があると思いつつも家族同然の動物たちを機内に載せる時、ケージに入れて機内に持ち込めることを許して欲しいです。災害時、非常時には、モノとしてではなく家族として、最善を尽くす権利を…。生きている命をモノとして扱うことが私にはどうしても解せないのです。
と述べられている。
また、メンタリストのDaiGoさんも、
小型犬とか猫ぐらいのサイズの動物とかだったら、それこそ脱出用のスライドとかを傷つけないような柔らかい素材のケージとかあるわけですよ。子ども抱っこして脱出するのと同じじゃないですか、サイズ的にはね。だから現実的に無理な話では僕はないと思うんですよね。
との意見を主張されている。
筆者も幼少期には、自宅に犬(紀州犬のジュン)がいたので、ペットを飼う人の気持ちも分かる。
しかし「ペット客室同乗」には反対である。同乗者にはペットが苦手な人もいるだろう。動物アレルギーの人もいるかもしれない。鳴き声や悪臭で他人に迷惑がかかることもある。
国内航空会社で初めて全路線全便で「ペット同乗可」を今月15日から実施するスターフライヤーも、緊急時の脱出にはペットを機内に置いていく決まりになっている。
そうした現状において、今回の事故のようなことが発生した時、飼い主は更に辛い思いをすることになるだろう。中には「私もペットと一緒に飛行機に残る」と言い出して、機長や客室乗務員の説得に応じない人も出てくるかもしれない。
そうなると、貴重な時間が奪われて、客も乗務員も避難できずということもあるだろう。ペットなどの鳴き声で、乗務員の呼びかけがよく聞こえないということもあり得る。
また、ペットは犬猫だけではない。爬虫類を大切なペットとして飼っている人もいる。そうした爬虫類ペットの客室同乗も認めることになるのだろうか。諸々考えてみると「ペット客室同乗」は、人間にとってもペットにとってもデメリットしかないように思うのだ。よって、筆者は「ペット客室同乗」には反対である。
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