貯金すべきなのは「お金」ではなく「健康」

年末年始に周りにいる人たちの訃報が相次ぎ、改めて健康の大切さを痛感しています。

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当たり前のことですが、健康は一朝一夕では手に入れることはできません。

食事、運動、睡眠、ストレス、と言ったことを、日々コントロールしていく必要があります。

60代、70代といったシニア世代に入って、体調を崩し病気になる人の多くは、シニアになって急に不摂生をしたわけではなく、それまでの生活習慣の蓄積がもたらした結果ということができます。

しかし、健康は貯金できるという発想を持っている人は、あまりいないと思います。

例えば、私は毎日平均1万歩を歩くようにしていますが、これは足腰が弱らないための毎日の貯金と捉えることができます。

また、毎日の食生活も脂質の摂りすぎに注意をし、適度な糖質を摂取するように意識しています。そんな食生活も体に良いものを毎日貯金しているようなものです。

「健康は貯金する」という発想に到達できれば、毎日のライフスタイルも少し変わってくるのではないでしょうか?

健康は貯金すべきですが、お金は貯金してはいけません。

日本国内の預金は超低金利が続いており、インフレ率の上昇に伴い、資産価値が目減りしている状態です。

コツコツ貯金をしているというと、良いことをしているように思ってしまうかもしれませんが、実は、お金の増やし方としては正しい方法とは言えません。一言で言えば、リスクの取らなすぎです。

投資商品を正しく選び、適切なリスクをとって、リターンを狙うのが、お金との正しい付き合い方です。

お金を貯金しながら、不摂生な生活をしているより、健康を貯金しながら、資産運用している方が、お金も健康も手に入れられる可能性が圧倒的に高くなります。

お金も健康も手に入れるためには、時間がかかるという共通点があります。

お金が足りなくなったり、病気になってから慌てて対応しても、もはや手遅れになってしまうのです。

今からでも、健康とお金の正しい情報収集を行い、健康は貯金を。そしてお金は資産運用を始めましょう。

という訳で、私は今日は検査食(写真)をいただき、明日は胃カメラと大腸内視鏡検査で、健康の貯金状況をチェックしてきます。


編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2024年1月8日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。