残酷ですが地方の過疎地を復興させる力はもう日本にはない

震災から10日経過して・・・・

SNSを見ると「国力の全てを被災地につぎ込め」的な論調が目立つ。

でもちょっと待ってほしい。

被災地にカネ撒け撒け言ってる人たちはどうも所得税はらってないか、所得税に2.5%上乗せして3.11の復興税を10年もずっと取られてること知らないのではないか。国民1人あたり25万、4人家族なら100万円負担したんですよ。そしてこれからも負担し続けないといけない。さらに石川の復興税が乗ってきたら、社会保険料の増額もくわえてアップアップです。

いま、高齢者への社会保障で現役は死にそうになっているわけだが、地方の震災復興のコストで死にそうになるのは都市部の現役。いざ東京や大阪が直下型で被災したら地方にはカバーするだけの力はないから都民や府民は被災してもおそらく国が破綻するだけでカネなんてもらえない可能性が高い。いまの社会保障の高齢者と現役みたいな構図になってると感じる。

大阪万博中止してその労働力で復興しろ?

万博も五輪もわたしはやるべきとは思わなかったですが、いまから止めても工事はここまで行っていてめちゃくちゃ赤字だけ残ります。被災地に回るお金にはならないです。入るはずだった2兆円の経済効果も無しです。

で、大阪万博の労働力を石川に回すって人ごとみたいにおっしゃいますが、万博で働いている人たちは関西の人たちです。ごく一時的ならまだしも、この人たちを家族から引き離して半年とか1年も石川に転勤させたらめちゃブラックでみんな辞めちゃいます。そういう時代じゃないと思うんですよね。

3.11や神戸の時はできたと言うけど、東日本はもう13年前。神戸に至っては30年前です。あのときといまでは働くことについての意識も価値観も労働人口もまるで違う。労働人口が激減して、寝たきりが500万人、100歳以上が10万人いるんですよ。80歳以上が1400万人。こんな国はほかにないです。介護しながら石川県に転勤とか無理でしょ。

被災地は人口が半分に減っていて高齢者率が過半数です。ここに国力の全てを突っ込んで未来を潰すというのは次の世代に大きな負荷です。
野党の立憲の米山氏でさえいってるように、もはや復興のコストが大きすぎ、都市部の集合住宅に移転して貰う選択も検討する時代なんです。

最近、仰ることがまともに・・・w

都市部に集合住宅を建設して移住してもらうほうが、過疎地のインフラをいちから整備するよりずっと安い。すでに過疎化と高齢化で将来そうするしか無かったテストケースです。もちろん強制ではなく、元の場所に住みたい人は残れば良いけど元通りのインフラにはなりません、お金がありません。コロナで馬鹿みたいに使いすぎました。

怖いのは被災地にすべてぶっ込めと国民が言えば人気取りを考えた政権は後先考えずにそのとおりにします。コロナの馬鹿げた規制が良い例です。そして平気で次世代を殺してしまう。私は次世代のほうが自分たちより大事なので感情的になるのは本当にまずいと思ってます。自分が被災しても同等です。

こんな時だからこそ災害を政府攻撃の理由にするのはやめよう

特にレフトウイングの皆さんは、チャンスとばかり政府を攻撃するネタに震災を利用していて気分が悪いです。わたしも自公政権はまったく支持しませんが、「いままで全く震災対策にお金を使わず五輪や万博に使ってきた」とかまで言うのは真っ赤な嘘というか無知。

震災対策は地元の土建屋に金を回すには一番都合が良いので、○階さんや土建族は莫大なカネを自持ちに流してきました。否定されている地震周期説を盾に「この地域は津波が来るからとにかく強靱化を」とか言うヤツです。真逆なんですよ。

震災をイデオロギーの主張に利用するのは本当に止めて欲しい。そしていまこそ冷静に「次世代に失望させないために感情的にならないようにしよう」という私の呼びかけでした。

自宅の避難グッズも入れ替えしてまして、食べるものがないって言う人が多いのでこちらもAmazonでゲットしました。


編集部より:この記事は永江一石氏のブログ「More Access,More Fun!」2024年1月10日の記事より転載させていただきました。