ヴィンテージ時計の魅力とメンテナンスのコツ

メルカリの記事を読んだ読者から、「どちらの時計専門店を利用しているのか?」という質問が多かったので、本稿を作成してみました。

私にはヴィンテージ時計収集の趣味があります。最近は購入していませんが、10年~20年くらい前、ブルガリの時計を好んで集めていました。定価は60~80万円ですが、並行輸入や知り合いの時計屋で廉価に購入していたものです。

画像はイメージ
Chachawal Prapai/iStock

ヴィンテージ時計にOHは欠かせない

当時、私はコンサルティング会社に勤務していました。大型受注(1000万円以上)をするたびに、自分へのご褒美(ダメ会社員の典型のような台詞ですが)として購入していました。

フェーズごとの役割も決まっていました。初回訪問はクロノグラフの白、プレゼンはSCB38S、受注後はDG40など、シーンごとに着用する時計を分類していたのです。

あれから、約20年近く経過しました。それにともない時計も劣化していきます。専用ケースにいれて保管し、月に数回はワインディングマシンで動作確認をしています。着用後には綿棒をつかって研磨していたので外観はすこぶるキレイです。

しかし、内部の経年劣化は避けられません。クロノグラフのボタンが重い、時間が狂いはじめるとOHしかありません。メーカー(ブランド)に依頼をすると、最低でも10万円は掛かります。

購入後20年が経過すれば、時計の実勢価格は20万円程度に落ち込みます。20万円の時計に10万円のOHを施すのはもったいないと考える人も多いと思います。

そこで、実績と価格のバランスを重視したうえで、OHを依頼する専門店のチョイスが必要になります。最近お世話になっているのがこちらの時計店です。

高島時計店
住所:福井県鯖江市水落町3丁目10-25
電話:0778-54-8482

担当は、高島雄一郎さん。1995年12月20日生まれで、私と同じ射手座です。また、1年で1000本のオーバーホールを作業する時計のプロフェッショナルです。

今回、依頼したSCB38Sはクロノグラフに難がありました。難しい場合は、通常OHで構わないことを伝えたのですが、結果的には「完動」で戻ってきました。

私が有難いと思ったのが、こちらが要望すれば経過を画像で送ってくれる点です。途中報告がありましたので安心できました。作業は難儀したと思いますが感謝申し上げます。この時計は気に入っていますので大切に使おうと思います。

OHが完了した時計

作業の様子

ヴィンテージ時計とは

一般的に、ヴィンテージ時計好きは、以下のような特徴を持っています。これらはあくまで一般的な傾向であり、個人の好みや目的によって異なる場合もあると思いますが挙げてみましょう。

  • 時計の歴史や背景に興味がある。
  • 時計の経年劣化や傷を味わいとして受け入れる。
  • メンテナンスや修理に費用や時間をかけられる。

いまは、ロレックスが大人気ですが、20年前はそこまでではありませんでした。私のように3大ジュエラーの「ブルガリ」好きを自任するファンも多かったのです。

ブルガリ初のスポーツウォッチであるディアゴノ誕生の際には心が震えました。「こんなカッコいい時計があるのか」と。気が付いたら、10本ほどを所有するマニアになっていました。

ヴィンテージ時計は、文字盤の変色や文字のかすれによる風合いを経年変化として楽しむことができます。文字盤に塗布されたトリチウムの茶色く焼けた文字色は独特の風味があります。これは、ヌメ革バッグの経年変化を楽しむのと同じ理屈です。

時計には人間の叡智が詰まっています。また、高級時計はOHさえ施していれば半永久的に使用できます。この機会に、ヴィンテージ時計の魅力に気づいていただければ幸いです。