平均寿命まで生きられない人の特徴

黒坂岳央です。

先日、2023年に亡くなった実父の一周忌法要があった。父は平均寿命まで生きられなかった。10年ほど前に仕事中に脳梗塞で倒れ、医師からは「長生きは難しい」と告げられていたので覚悟はしていた。

「未婚男性は短命」という統計データを、父の一周忌で思い出した。父は早い段階で離婚して一人暮らしをしていたので実質未婚男性のライフスタイルに近かった。何が父の死を早めたのか?興味が湧いて改めて調べてみた。

banusevim/iStock

何が寿命を縮めるのか?

独身研究家の荒川和久氏の記事によると、未婚男性が短命な理由は複合的によるものだという。端的に言えば未婚男性の命を奪う要因は「病気」である。生活習慣に由来する高血圧性疾患、糖尿病などを始め未婚男性は有配偶男性を上回っている。ガンは少ないが、記事内では罹患前にお迎えが来るからだろうと分析している。

なぜ病気になるのか?短命と相関性の高い要因は次のとおりだ。

1.食事
2.お酒
3.タバコ
4.運動不足
5.孤独感

つまり、こうした不健康因子が病気のトリガーになっているということである。父は上記5つの全てに該当していた。晩年はあちこちにガンもあったし、肺はタバコで実年齢より30年老化している医師から言われたこともあった。元々、生命力の高い/低いという個人差も大きいが、あくまで一般論で言えば生活習慣が寿命を決めるのは間違いないようだ。

生活習慣を改善する2つの方法

健康維持は資産形成と似ている。時間をかけて少しずつ上にも下にも行く。あまりにも変化が緩慢であり、また自分では問題点に気づくことが難しいために問題が顕在化したタイミングでは時すでに遅しとなっていることが多い。だから健康なうちから先行投資が必要なのだ。

「やたらと長生きなんてしたくない。自分は好きに生きる」という人もいるが、生きている間病苦に襲われるのではQOLが著しく低下する。長生きは嫌だという人も、不健康は断固お断りしたいはずだ。ではどうすればよいか?個人的なソリューションが2つある。

1つは健康診断をきちんと受けることである。筆者がサラリーマンだった頃、健康診断を「仕事が忙しいし、面倒くさいからいっていない」という社員がいることに驚いたことがある。健康診断は企業の義務なのに自らの意志でチェックを拒否しているのだ。健康診断は耳に痛い指摘を受けることもある。暴飲暴食だと中性脂肪や血糖値が高いという診断をくだされることに図星と感じて「見たくない、聞きたくない」という人はいるだろう。しかし、現実を受け止めて必要な改善をした方が良い。

もう1つはヘルスメーターである。最新機種はスマホと連携でき、体重を測るだけでなく体脂肪や水分量、タンパク質などもチェックできる。筆者は買って使っているが、毎回「水分量が少ない」と指摘されたことで「もしかして、水分補給に飲んでいるコーヒーの利尿作用の影響しているのか?」と原因究明の行動につながった。毎日数値でチェックすることで、異常値を検出して改善するきっかけにできるのだ。使わない手はない。

お金と時間を優先して健康を差し出すのは得策ではない。なぜなら人生は健康に生きている時間がすべてであり、健康でなければお金も時間も有意義に使うことができないからだ。特に中高年になれば健康は当たり前ではなく、主体的に獲得するパラメータとなる。気持ちは若いままでも、肉体は違う。加齢に応じて適切に生活習慣の改善を勧めたい。

 

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ビジネスジャーナリスト
シカゴの大学へ留学し会計学を学ぶ。大学卒業後、ブルームバーグLP、セブン&アイ、コカ・コーラボトラーズジャパン勤務を経て独立。フルーツギフトのビジネスに乗り出し、「高級フルーツギフト水菓子 肥後庵」を運営。経営者や医師などエグゼクティブの顧客にも利用されている。本業の傍ら、ビジネスジャーナリストとしても情報発信中。