老後は「カンボジアに住む」という選択肢

カンボジアのプノンペンのコンドミニアムを購入することにしました。これでカンボジアの不動産物件は4つ目となります。

カンボジアのプノンペンにあるコンドミニアムのクオリティはここ10年で飛躍的に向上しました。一昨年竣工した物件や今回の物件は、日本のディベロッパーが手がけた物件で、内装の仕上がりもジャパンクオリティ。自分が将来住んでも良いと思えるレベルです。

日本人のリタイア後の移住地としては、欧米がコストの面から厳しいことから、今までマレーシアやタイなどの東南アジアが人気でした。距離的にも近く、物価が安くて、文化が似ていて過ごしやすいというのが理由です。

しかし、今やマレーシアのクアラルンプールやタイのバンコクは、日本とあまり変わらない物価水準です。生活費を考えて移住する場所では無くなりました。

そこでこれから注目されると思うのがカンボジアのプノンペンです。

他のアジアの都市に比べて住居費が安く、クオリティの高い物件が揃っています。また生活費もアジアの都市の中では安い方です。

食事も日本人の口に合うものが多く、日本食レストランもそれほど高額ではありません。吉野家や丸亀製麺のようなリーズナブルなファストフード店もあります。

また、他の国にない特徴として米ドルの経済圏であることが挙げられます。アメリカドルが日常に流通しているので、ハワイにいるのと同じような感覚です。米ドルを保有していれば、銀行預金で7%以上の金利も受け取れますから、運用しながら生活することも可能です。

熱帯の国ですから日本の冬のような寒さは無く、地震もありません。冬でもプールに入って楽しむことができます。ある程度のレベルのコンドミニアムであれば共用施設としてプールが装備されていますから、スポーツクラブにわざわざ行く必要はありません。

永住しないとしても、一年のうち日本の冬の期間だけプノンペンで過ごすという選択肢もあります。

懸念材料としては、カンボジアの医療制度が日本に比べ脆弱であることです。急な体調不良の場合には、日本のような迅速な処置が受けられないリスクがあります。

相対的なコストの低さと住みやすさが注目されれば、日本人のカンボジアへの移住が広がる可能性が低くありません。そうなれば日本人に人気の物件は需要が高まり価格も上昇することが予想されます。

今は日本からの直行便が無くなってしまいましたが、プノンペンの新しい空港が出来れば恐らく直行便が復活して、より注目度が高まると思います。

未だにポルポトの大虐殺や地雷の国だと思っている日本人は一度プノンペンに行ってみることをおすすめします。日本の地方都市よりも豊かな生活を楽しむカンボジアの人たちに驚くことでしょう。


編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2024年2月12日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。