料理男子は食材より調味料にこだわった方が良い

Hazal Ak/iStock

晴海フラッグに転居してからもうすぐ1か月が経ちますが、予想通り自炊が増えました。まだ周辺に飲食店やスーパーがなく、日中自宅にいる日は食事だけのために気軽に出かけられないからです。

自炊といっても、食材にこだわって凝った料理を作るわけではなく、ご飯におかずを乗せた丼のような料理とはないレベルのものがほとんどです。

写真は最近作ったランチですが、卵かけご飯に納豆、明太子、ネギ、刻み海苔、白ごまを乗せただけのシンプルなものです。

ただし、調味料にはこだわっています。醤油は愛媛産の天然醸造のこいくち、海苔は築地の丸山海苔店のこんとびという逸品、隠し味の一味は大阪の向井珍味堂といった具合です。

塩も4種類あって、自己流で使い分けています。あるいは、お味噌汁の出汁には、北海道で買ってきた最高級羅臼昆布を使っています。

フォアグラ、トリュフ、キャビア、松茸、といった高級食材を使ったお料理は、プロには勝てません。下ごしらえの時間のかけ方と、調理技術が段違いだからです。草野球の全国大会で優勝しても、大リーグに入団することすらできないのと同じです。

だから、そのような高級食材の調理は専門家に任せるのが合理的です。作るプロセスの楽しさは否定しませんが、お料理そのものの味には限界があります。

しかし、仕込みにそれほど手間のかからない質素でシンプルなお料理であれば、調味料のクオリティによって専門店の味に近づけることができます。

しかも、調味料は超一流のものを買ったとしても、高額ではありません。

私は外食の機会がかなり多いので、ご飯とお味噌汁にシンプルなおかずといった自分で作ったご飯を食べるとほっとします。

ただし、自分が作ることができる料理は極めて限られています。しかも、全くの我流で、味付けも自分の舌を信じて、計量などは一切行いません。

今後の課題は、料理のバリエーションを広げること。そして、ハーブなどの食材を自分で育てることです。また、炊飯器ではなく、土鍋を使ってご飯を炊けるよう、気に入った土鍋を探しています。

格闘技を見たり、トライアスロンに挑戦したりするより、このような「丁寧な暮らし」の方が楽しい。少し変わったアラ還料理男子なのかもしれません。


編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2024年2月22日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。