米国議会下院は人気動画配信プラットフォームTikTokの米国国内での利用禁止を可能とする法案を可決しました。この法案が成立すれば、TikTokの親会社であるバイトダンス社は同アプリを6か月以内に売却しなければなりません。バイトダンスが売却を拒否した場合、TikTokは米国国内で禁止となります。
TikTok禁止法案は下院では超党派の支持を得て可決しました。上院でも採決が行われるかは様子見です。
バイデン前大統領は法案が議会で成立すれば署名する意向を示しています。
一方、今年の大統領選でバイデン氏と戦うことが決まったトランプ前大統領はTikTok禁止法案への懸念を表明しています。その理由のひとつに、TikTokが禁止されることで、競合他社であるフェイスブックが儲かることをあげています。
トランプ氏は自分が2020年大統領選で負けた一因はフェイスブック創業者のザッカーバーグ社長のせいであると考えているようです。
TikTok法案について質問されたトランプ氏は、マーク・ザッカーバーグ氏が2020年の選挙中に「いわゆるロックボックス」に資金をつぎ込んだため、フェイスブックについては「何かをしなければならない」と述べた。すべては選挙不正陰謀論に戻る。
また、トランプ氏の反対は若年層を取り込む意図があるとも考えられます。
アメリカ:トランプ大統領、「TikTokがないと気が狂ってしまうような若者がたくさんいる」と発言
トランプ氏の選挙活動に献金している人の中にバイトダンス社の株主がいたことは反対の理由にはならない?
3月1日、トランプ氏は共和党の巨額献金者でバイトダンスの投資家であるジェフ・ヤス氏から多額の資金を受け取った。 それから1週間も経たないうちに、彼は突然TikTokの中国による所有権継続に賛成するようになった。
TikTokは法案の可決に激しく抗議していますが、ユーザーに対してアプリ上で法案反対求めたことで、TikTokが安全保障上の脅威であるという米国議員の懸念に信ぴょう性を与えることに。
米国では約1億7000万人がTikTokを利用しており、中にはそれで生計を立てている個人事業主が一定数います。仮に法案が可決すれば、違憲性が司法で問われることになる可能性が高いですが、アメリカ社会に大きな影響を及ぼすことでしょう。