人生の苦労を持ち堪えるには?

ドイツの哲学者イマヌエル・カント(1724年-1804年)の言葉に、「人生の苦労を持ちこたえるには三つのものが役に立つ。希望・睡眠・笑い」とあるようです。此の三点の内、「希望」に関してはカントの言う通りではないかと思います。

全く希望が無かったら、そもそも苦労し甲斐が無いでしょう。また「笑い」に関しては「笑う門には福来る…笑いの絶えない人の家には、自然と幸福が訪れる」ですから、一種の希望に繋がっているのかもしれません。私自身、希望というのは人生の苦労を持ち堪える上で非常に大事だと思っています。

「睡眠」に関しては苦労を持ち堪えるか否かといった問題に直結するものではないでしょう。苦労なしでも睡眠なしには人間生きては行けません。脳を休めるということが人間誰しもが必要になります。従って、人生の苦労を持ち堪えるに役立つ一つとして挙げるのは如何なものかと思います。尤も、どんな苦労も健康を害してしまえば、持ち堪えるか否かの問題ではなくなります。我々は人生を良き方に向かわせるべく、健康維持に最大限努めなければなりません。

仮に私自身で三つ挙げよと問われれば、上記の通り希望をその一つ挙げるでしょう。それから次には、「夢」と答えます。「夢なき者に理想なし、理想なき者に計画なし、計画なき者に実行なし、実行なき者に成功なし」(吉田松陰)――一つの理想を描き、そこに到達するんだといった強い意思を志と言っても良いでしょう。だから、夢(志)なき者に成功もなく、人生の苦労を持ち堪えようもありません。

そして最後の一つに私は、「信仰」を挙げます。例えばヴァイキングがイングランドに攻入ったのも、あの十字軍の遠征も夫々神の名の下に度々行われたわけですが、人が次々殺される戦時下で絶対的な何かを信じるということは、苦難の道を耐え行くことにも繋がるのだろうと思います。

あるいは平時においても、例えばインドではカースト制度の下、上位階層への生まれ変わりを信じ、それを支えに一種の期待感を持って生きて行きます。即ち、今の時代はカーストの最下位「シュードラ(隷属民)」かもしれないが今度は「バラモン(祭司)」に生まれ変わってくるのだと信じて生きる、といった「輪廻思想」により彼等彼女等は何とか生きて行けるわけです。

以上カント流に私見を端的に述べるとすれば、「人生の苦労を持ちこたえるには三つのものが役に立つ。希望・夢・信仰」ということで、思想・哲学というのは極めて大事だと思っています。本ブログを読まれた皆様は、如何に思われたでしょうか。


編集部より:この記事は、「北尾吉孝日記」2024年3月15日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はこちらをご覧ください。