ファミリーマート赤羽西閉店・店長へ感謝を込めて
今から7年前の2017年3月、息子がまだ4歳、娘が6歳の頃。
私は赤羽台保育園父母の会会長として、写真の電子販売、コットの導入、手作りの製作物を市販品で良いように、更には父母の会の発展的解散など、園長先生のご理解のもと保護者の皆さんと共にさまざまな改革をとげ、すべての役割を終えようとしていた。
任期も終わる3月に「他に何か、やり残したことはないだろうか」と考え、あることに気づいた。
歩道を通ると受動喫煙を余儀なくされる場所があった。
駅に向かう方、保育園に登園される方々も通る、狭くて歩行者の多い歩道だ。
コンビニ前の灰皿の周りに人が集まり喫煙所のようになっていて、保育園保護者からの苦情の声も届いていた。
気管支の弱い喘息気味の我が子も、そこを通るのが辛かった。
まだまだコンビニの前に灰皿が設置されていることが多かった時代だから、当時は、やむを得なかったと思う。
しかし私はこの状況をなんとかしようと「灰皿を撤去しても売り上げに影響はほぼない」と言うエビデンスを揃えて、思い切って店長さんに相談してみることにした。
とても不安だった。
「お店のお客が減るかもしれない」と思うと、そう簡単には撤去してもらえないだろうと思った。
しかし、店長は快く相談に応じ話を最後まで聞いてくださり「検討させてほしい」と言ってくれた。
それから1ヶ月後、なんと、灰皿が撤去されていた。
「受動喫煙防止の観点から灰皿は撤去しました。こちらでの喫煙はご遠慮ください」
変えてくれた‼️
息子としばらく立ち止まり、信じられない気持ちで表示を眺めた。
その後、店長さんにご挨拶に伺った際の優しい笑顔が忘れられない。
それからというもの、このファミマをよく利用するようになった。いや、あえて利用するようにしていた。
ところが2024年2月29日、たまたまSNSでその日の朝9時に閉店ということを知り愕然とした。
私は急いでお店に向かった。最後に直接、店長にお礼を伝えたかったのだ。
あの日、無謀かもしれないけれど、勇気を振り絞った何者でもない1人の母親の声を真摯に受け止め、応じてくれた懐の深さに感謝を。
そして、それが私の小さな成功体験の1つとして積み重なり、区議へと立候補できたことへの感謝を。
私の背中を押してくれた、店長さんにどうしてもお礼を言いたい。
しかし、遅かった。
店内は人も商品もなく、ガラガラだった。
資材を廃棄物処理のトラックが積み出しを行なっている最中、関係者の方が話しかけてくれて、私は手持ちのチラシにメッセージを書き、託す事ができた。
7年前のお礼をこめて。
〜お手紙抜粋〜
20年以上、この地で地域のインフラとしての営業をされたこと、本当にお疲れ様でした。
地域の声に寄り添うお店が大好きでした。
道路拡張のための閉店と伺い、残念ですがスタッフの皆様の今後のご活躍とご多幸を祈っています。
【関連ブログ】
編集部より:この記事は、元東京都北区議会議員、駒崎美紀氏(無所属)のブログ 2024年3月3日の投稿を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はこまざき美紀オフィシャルブログをご覧ください。