「出版したいけど、何から始めればいいのか、わからない」
「出版企画書が難しくて、書けそうにない」
「塾やセミナーに行っても、出版がなかなか決まらない」
出版を志す方には、このような悩みがつきものです。 今回紹介する一冊は、これらの悩みを解決するきっかけとなり、出版に思い切りトライできるようにするためのものです。
売れる出版「最強の法則」1 はじめて著者になるための企画書の作り方(川田修著)Kindle版
そもそも出版業界とは
じつは、筆者もよくこの質問を受けることがあります。紙書籍と、電子書籍のどちらの権威性が高いかという点です。川田さんは次のように言います。
「初めて出版をするなら、紙の本と電子書籍のどちらがいいか?」。私もよく聞かれるテーマです。 結論を言ってしまえば、『どちらでもよい』です。 紙と電子、それぞれの特性を知って、自分の目的と照らし合わせ、どちらをどう使うのかを決めるべきです」(川田さん)
「最終的には好き嫌いですね。 私は紙書籍のほうが圧倒的に好きですが、出張先や仕事で急ぐ時は、迷いなくKindleで電子書籍を買います。 その用途で使い分けているのです」(同)
昨今は、出版の目的が多様化していますので、川田さんの主張は正しいでしょう。筆者も出張のお供はKindleが圧倒的に多いです。かさばらないのがいいですね。次に悩ましいのが出版形態です。自費出版、商業出版、どこを目指すのがいいのでしょうか?
「自費出版であれ、商業出版であれ、いきなり自分で出版社に企画を持っていくのは、ハードルが高いでしょうね。そんな時の選択肢の一つが、出版プロデューサーや出版セミナー、出版塾です。出版プロデューサーとは、いわば『出版に関するコーチ』です。出版社で長年、編集経験のある方や、出版経験の豊富な著者の方がやっていることが多いですね」(川田さん)
「サービス内容は、人それぞれです。出版業界や出版社の基礎知識の説明、企画立案から始まり、企画書添削、出版社紹介や交渉、はたまた執筆サポートや編集、宣伝プロモーションまで手掛けていらっしゃる方もいます」(同)
ポイントになるのは高額が掛かる点でしょう。
筆者が最初に出版したのは2010年です。これまで22冊の出版をしてきましたが、この業界にはインチキプロデューサーが存在します。
数百万円のフィーを掛けながら出版が実現できないケースも少なくありません。出版したいという希望につけ込む「夢を食べる仕事」といえばわかりやすいでしょう。
情報通になろう
先日、業界では著名な「出版プロデューサー」に会う機会がありました。仮にA氏としましょう。元々はコンサルタントらしいのですが経歴不詳です。次のようなやり取りをしました。
尾藤:どちらのファームご出身ですか?
A氏:ファーム?私は2軍ではないので
尾藤:いや、野球のファームではなく、コンサルファームのことです
A氏:イエス!野球チームのコンサルのことですね。お任せください!
尾藤:そうではなくて。どちらのファームご出身かと思いまして
A氏:ワォ!東北のほうです。あちらのファームはいいですね!
尾藤:・・・
本人は、一流のコンサルタントを標榜しているが微妙だと感じました。それでも、出版希望者は大勢いるから、情報が乏しい人に「出版させてあげるよ!」なんて甘い言葉をかけて、お金を搾取する人が増えてくるのです。だから、情報通にならなければいけません。選択する側が賢くならないといけないのです。
本書には、出版に関する基本やノウハウがすべて込められています。「出版とはなに?」「出版するにはどうすればいいの?」を知りたい人には参考になる一冊だと思います。37年間、出版業界に携わってきた著者が、これから著者になりたい希望者に贈る指南書です。
尾藤 克之(コラムニスト・著述家)
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2年振りに22冊目の本を出版しました。
「読書を自分の武器にする技術」(WAVE出版)