仙台高裁の岡口基一裁判官に対して裁判官弾劾裁判所が罷免判決を宣告しました。裁判官弾劾裁判所は「SNSによる中傷で自殺者も出ている中、悪質性が重い」と見解を述べています。
判決により、岡口氏は裁判官の身分だけでなく、検察官や弁護士になる資格も一定期間失うこととなりました。
女子高校生殺害事件に関してSNSで不適切な投稿を繰り返したといわれる岡口元判事が、国会の弾劾裁判所に訴追されていました。15回にわたる審理の中で、訴追委員会は罷免を主張し、弁護側はそれに反対していました。犯罪行為でない事由で罷免になるかどうかという点や裁判官の表現の自由の是非についての点に注目が集まっていました。
裁判官弾劾裁判所は、国会が憲法64条に基づいて設置され、衆議院と参議院の合計14名の国会議員(各議院ごとに各7名)で構成されます。裁判官弾劾裁判所ではこれまでに8回の罷免判決が下されています。
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岡口元判事はXで裁判の結果を報告しました。
岡口元判事がSNSに投稿したという女子高校生殺害事件の被害者遺族もこの判決に対してコメントしています。
一方で、この弾劾が司法の在りかたとしてどうなのかという指摘が多く見られます。
岡口判事に悪意はなくても遺族の感情を傷つけた以上罷免という流れとなりました。
表現の自由へのけん制となることを心配する声も。
法曹資格を奪う前にそもそもSNSの誹謗中傷をなんとかしろという声も。
司法、行政、立法が相互に監視することが憲法と民主主義の基盤だという論調も見られます。
伊藤真氏が主宰する司法試験の予備校「伊藤塾」の行使に内定しているそうです。
いずれにせよ、弾劾裁判所の在りかたも問われる判決となりました。