岸田首相がバイデン大統領との首脳会談のため米国を訪問しました。岸田氏は国賓待遇で迎えられます。
首脳会談以外にも、米国両院議会での演説、ノースカロライナ州にある日系企業工場の視察も外遊日程に組み込まれています。
今回の日米首脳会談では在日米軍の機能強化が発表される見込みで、会談の目玉となっています。
岸田首相は訪米前のCNNとの対談で世界は「歴史的転換点」に直面していると警鐘を鳴らし、訪米への意気込みを示しています。
しかし、日米が共同で東アジア地域における有事への備えを加速させる中で、岸田氏が米国に忖度し過ぎているのではないかという懸念もあります。
まず昨年末に岸田首相は米国へのパトリオットミサイルの供与を発表しまた。
これはウクライナへの支援で不足している米国のミサイル備蓄の補填するための決定でした。しかし、一部の専門家は日本でも不足が見られるミサイルが米国へ供与されることに疑問を抱いています。
岸田政権はバイデン政権の要請に応じて熱心にウクライナ支援を行ってきましたが、次期大統領選で共和党政権が誕生すればはしごを外される懸念もあります。
加えて、現在日米の懸案事項としてUSスチール買収をめぐる対立があります。
岸田首相は「民間企業の経営に関する個別の案件」であるとして、この問題を首脳会談では触れない意向を示しています。
一方でバイデン大統領はお構いなしに政府主導で買収合意を阻止しようとしています。
ここでも岸田首相による米国への忖度が見られます。
また、自衛隊と米軍の軍隊機能が統合されたところで、結果的に米国が主導権を握る展開となれば元も子もありません。
岸田首相が日米同盟を大事だと思っていることはわかりますが、服役期間を終えていない受刑兵の米国送還は一線を超えたのではないでしょうか?
日本が中国や北朝鮮の脅威に対処する上で、日米同盟は重要な財産であり、日本が今の抑止力を一国で担保しようと思えば莫大な軍事予算が必要です。
しかし、だからといって米国の言うことを全て聞いていては、日本のためになりませんし、日米関係にとっても悪影響です。
健全な日米関係を構築するために岸田首相は米国に対しては必要に応じて「ノー」と伝えていく必要があるのではないでしょうか?