時代を超えるファッションの今昔物語

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すごいシリーズ本が完成しました。「パーソナルカラー×骨格診断別」、12冊同時刊行の作品です。出版不況といわれるなか思いきった企画であることは間違いありません。

パーソナルカラー夏×骨格診断ストレート 似合わせBOOK」(海保麻里子 著)サンクチュアリ出版

第一印象は「フォーカルポイント」で決まる

皆さまは「フォーカルポイント」をご存じでしょうか。おでこから胸もとまでの約30cmのゾーンのことです。海保さんは次のように言います。

「フォーカルポイントは『目を引く部分』のことです。私たちは人と対面するとき、相手のフォーカルポイントを見てその人がどんな人かを無意識に判断しています。つまり、顔だけでなく 『服のネックライン』までもが第一印象を左右するということです」(海保さん)

「『似合う』を手軽に、 でも確実に手に入れるためには、顔まわりにパーソナルカラーをもってくることと同時に、服のネックラインにこだわることがとても大切なんです」(同)

では、印象度を高めるフォーカルポイントとはどのようなものでしょうか?これはネックラインが影響を及ぼします。さらに骨格が影響するようです。

「似合うネックラインと、苦手なネックライン。 それは、骨格タイプによって決まります。身体に立体感があるストレートタイプの方は、フォーカルポイントもすっきりさせることが鉄則。 そのため、首もとがあいていない服やタートルネックではなく、 ネックラインがあいた服を選ぶのがおすすめです」(海保さん)

「バストが豊かな方は、デコルテが見えるくらい大きくあいたデザインを。バストが豊かで、かつ首が短めな方は、縦方向に大きくあいたVネックを。ストレートタイプは直線的なデザインが似合いますが、顔に丸みのある方は、 Uネックやハートシェイプなど曲線的にあいたネックラインがマッチします」(同)

筆者の場合、春夏モノはVネックが多く、秋冬モノはタートルが多くなっています。ただしフォーカルポイントを考えたチョイスではありません。今までにない視点で興味深いところです。

高校生で新宿丸井デビュー

じつは、筆者はファッション好きです。高校生の頃からクレジットカードを所持していました(いまは所持できないと思いますが)。ご用達のお店は新宿丸井です。スパークリングセールともなれば、仲良し4人組で前日から並んだものです。

開店と同時に大きなポリ袋を渡されます。当時、ディスコで流行っていたハイエナジーのリズムに合わせながら、服がドンドン放り込まれます。気が付いたら会計〇〇万円超えです。高校生には厳しい金額でしたが分割払いでどうにかしのぎます。

いま考えれば、楽しい時代を過ごしたと思います。好きなブランドは、DOMON、アーストンボラージュ、リネアフレスカなどのチョイ派手の服です。いまでは考えられないかも知れませんが、こんなやり取りをしたことがあります。

尾藤:「ジャケットを試着してもいいですか?」
店員:「お客さま、よくお似合いです!」
尾藤:「Mサイズではなく、Lサイズはありませんか?少々キツイです」
店員:「お客様はMサイズがとてもよくお似合いでございます!!」
尾藤:「いや、そうではなく、Lサイズがあるか聞いているのですが…」
店員:「お客様でしたら、SでもMでもLでもお似合いだと思います!!!」
尾藤:「(ムッとする)今日は買いませんので!また寄らせてください!」
店員:「(もみ手しながら)当店では一度試着した服はご購入いただくルールとなっています」
尾藤:「・・・・・・」

高校生だから舐められたのかもしれません。しかし、いまでは考えられない接客ではないかと思います。

気が付いたらネット通販

30歳を超えてからは、特定の店員からしか購入しなくなりました。彼に依頼すれば、ほかのブランドでもちゃんと揃えてくれたからです。ところが、離職率が高いのでいつの間にか居なくなっているのです。ここ10年くらいはネット通販での購入が増えました。

お客様は「お似合いな一着が欲しい」と考えているものです。いい加減な接客は好ましくないのです。私の服装は10年前から固定化されています。10年前の服でもイマっぽくカッコよく着こなすのが私の流儀です(周囲がどう思っているかはわかりません)。

このようなときに、本書のような診断があればとても便利だと思いました。ファッションに興味のある方、スタイルを変更したい方に読んでもらいたい一冊です。

尾藤 克之(コラムニスト・著述家)

2年振りに22冊目の本を出版しました。

読書を自分の武器にする技術」(WAVE出版)