インフレ日本、値上げ前に今すぐ買うべきもの2選

黒坂岳央です。

日常的に買物をしていると、インフレを実感することが増えた。牛乳や卵はもちろん、ネット上での買い物をする時にも「あれも、これも値上げしている」と実感する。インフレ自体は悪いことではない。だが、日本人はあまりに長くデフレに慣れてしまっているので、買い物習慣を切り替える必要があると思っている。

デフレとの最大の違いは「割引」である。服でも電子機器でも「後で買おう」と思っていたものが、僅かな期間で値上げになり「しまった!」という経験が何度かあった。インフレ経済下では時間が経つと安くなるのではなく、むしろ高くなることが少なくない。

インフレ時代のこれから、値上げ前に買うべきものは何があるだろうか?

miya227/iStock

Windowsパソコン

これからほぼ確実に値上げしていくものの筆頭がWindowsPCである。

WindowsPCはメーカーの数が多いので、安物も高級品も入り乱れている状態だ。そのため、十把一絡げに「機種に関係なく今すぐ買い」とは言いきれない難しさがある。たとえば高性能グラボを積んだハイスペックモデルになると一昔前の仮想通貨のマイニング用にバブルが起き、次にAIブームによって高騰した。搭載するグラボ価格がPC販売価格を大きく上昇させたため、仮にグラボが安くなればハイスペックモデルの価格は他のパーツが値上げしてもトータルコストはそれほど変わらない可能性は残る。

だが、高画質ゲーム、動画編集をしないほとんどの人にとって、高価なグラボ搭載モデルを買う選択肢は基本的にない。本稿でお話をしたいのはあくまで10万円以下のミドルスペックまでの想定である。

PCを構成するパーツの価格高騰ももちろんだが、特にWindows10の場合は2025年10月にサポート終了となり、その後も10を使い続けるとセキュリティに問題が生じる。一応、Windows10から11へ移行すればこの問題は回避可能だ。しかし、ある程度スペックがないとWindows11に移行はできないとされている(一応、無理に移行する技も存在するが、あまり推奨できない)。そのため、「半ば強制的な買い替えの需要」が2025年秋ごろに生まれることが法人を筆頭にほぼ確定的である。

駆け込み需要は需給バランスを崩すので、そこで価格が上がる。Windows10ユーザーの中でスペック不足で11への移行ができない人は、その前に買い替えを推奨したい。

新型iPhone

筆者は2017年までAndroidユーザーだったが、それ以降はずっとiPhoneを使い続けている。元来ITに興味関心が強く、ガジェオタ気質ということもあって、毎年新型iPhoneの情報は好きで追い続けてきて今は最新のiPhone15ProMaxを使っている。

これまで新しいiPhoneを使ってきた体感で言えば、iPhoneを切り替えたいと思う人はすぐに買っても損はしないと思っている。その理由は毎年、iPhoneは日本円建てでドンドン高くなっていっているからだ。

iPhone12ProMaxとiPhone15ProMaxを仕事で使っているが、正直いって価格差ほど大きな違いはない。もちろん、細かいことをいえば動画録画中のズームがスムーズや、倍率が上がっていること。また、インターフェースがライトニングからUSB-Cになったことなど、性能や利便性は間違いなく向上している。しかし、2020年頃のモデルでも十分すぎるほど、カメラ性能を始めスペックは高い。

「最新モデルを買うために、旧モデルより10万円も多く出すか?」と問われれば、「自分は安いモデルでも十分だ」という人も少なくないはずだ。そしてもはや古いモデルは新品で入手できなくなっていき、新しいモデルはとても手が届かないほどに今後も高騰していくだろう。

自分が買ったモデルの15ProMaxは22万円だった。この価格を冷静に考えれば、スマホ1台がサラリーマンの月収レベルである。「iPhoneを新品で買える値段の内に買っておく」というのはインフレ時代の買い物戦略に必要と言えるだろう。

日本人は30年間、デフレに慣れすぎた。「待っていれば割引セールが起きる」という時代は終わったと、ここで頭の切り替えが必要だ。マクロの状況もそうだし、今は転売目的で買う人も多く、待っているほど値段は上がってしまう。「欲しいものは発売日に買う」という思考に切り替えが必要だろう。

 

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