今は海外旅行より国内旅行を勧めたい2つの理由

黒坂岳央です。

筆者は旅行が好きだ。最近は仕事がそこそこ安定したこと、子供がある程度大きくなってきたのもあって、思い出づくりのために以前より積極的に旅行に行くようにしている。

自分はこれまで国内外に旅行へ行ってきたが、少なくともしばらくの間は海外より国内旅行を楽しんだ方がいいと思っている。その理由を取り上げたい。

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1. 価格

これは多くの人がすでに予想するところではあるが、まずはなんといっても値段である。

正直、円安と日本以上のインフレが起きている海外旅行はかなりの割高だ。海外在住者がSNSで「日本では数百円で食べられるようなジャンクフードが、海外ではさらに品質を落とした内容で5,000円!」といった投稿をしてその違いが明らかになっている。また、ハワイ旅行に日本からお米を持っていって「節約食」として話題になったりしている。

海外旅行で大枚はたいても何も問題ないほどの大富豪は別かもしれないが、そうでない大多数の人にとっての旅行は、無理して海外へいくより日本国内を勧めたい。同じ金額でリターンが圧倒的に日本に優位性があるケースが多いと思っている。食事も当然、日本人好みであり、海外旅行に使う金額を日本旅行に投じれば非日常体験を味わうこともできる。

たとえば沖縄への旅行だ。グレードの高いホテルは宿泊する部屋によってVIP専用のラウンジ、プールが用意されていたりする。ドレスコードも厳しく、レストランでは男性は長袖襟付きシャツ、ジャケットに長ズボンの着用が必須となる。もちろん、付随するサービスも最高だ。

海外旅行で同じような体験をしようとすると、長時間のフライトや荷物、割高な金額をチャージされるので移動距離や食事、価格など総合的に考えれば国内旅行を最高グレードで楽しむ方がいいのではないかと思ってしまう。

時折、旅行経験者から「やっぱり海外は日本と違う!」という意見があるが、その場合は比較対象がズレていることもある。海外旅行はセキュリティの観点からも、そこそこのグレードのホテルに泊まる。一方で国内旅行は最低限水準も比較的高いレベルにあるので、低いグレードのホテルで良いとなりがちだ。同じグレードで水平比較が必要ではないだろうか。

国内旅行を5つ星の最高グレードにすれば、海外旅行にはまったく引けを取ることがないと思っている。現地のアクティビティは別の話だが、食事と宿泊施設に限定すればそうだ。

2. 移動時間

これは現況に限った話ではないが、海外旅行の場合は移動時間がネックになる。

物理的な場所に縛られない独身のフリーランサーや専業投資家なら話は別だが、ほとんどの人にとって時間の制約は大きな壁になる。自分自身も会社勤務者ではないが、子供の学校という強い制約を受ける立場だ。そのため、家族旅行となると移動距離やそれにかかる時間が必要になる。その分、海外旅行は実質的に現地で楽しめる時間が減ってしまう分不利になる。

日本は自国内の津々浦々まで移動網が張り巡らされているインフラの充実した国家である。日本の端から端までその気になれば数時間で移動ができる。忙しい日常を忘れ、都会の喧騒から離れて非日常を楽しみたい人はできるだけ充実した時間を過ごすためにも移動距離が少なくて済む国内旅行を堪能するのだ。

自分があれこれ論じなくとも、多くに日本人は国内旅行を楽しんでいる。パスポート取得率の低さはずっと昔から変わらないことがそれを物語っている。後はこれは個人的な理由だが、自分はできるだけ海外より日本にお金を落としたいので、今後も国内旅行を中心に楽しみたい。

 

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ビジネスジャーナリスト
シカゴの大学へ留学し会計学を学ぶ。大学卒業後、ブルームバーグLP、セブン&アイ、コカ・コーラボトラーズジャパン勤務を経て独立。フルーツギフトのビジネスに乗り出し、「高級フルーツギフト水菓子 肥後庵」を運営。経営者や医師などエグゼクティブの顧客にも利用されている。本業の傍ら、ビジネスジャーナリストとしても情報発信中。