テレビ朝日「立憲民主党の有権者への戸別訪問」を2回サイレント修正、変更経緯・理由の記載なし

自分らは文書管理だの改竄だの言ってきたくせに

テレビ朝日「立憲民主党の有権者への戸別訪問」をサイレント修正

自民王国「島根1区」で惨敗…取材で見えた「静かなる怒り」(変更前魚拓)

そうした中で力を入れたのが、有権者への戸別訪だった。これまでの街宣車での演説中心の戦い方を変更し、一軒一軒有権者の家を訪問きめ細やかな選挙活動で自民党の組織力に対抗しようとした。

変更後魚拓

そうした中で力を入れたのが、業界団体へのローラー作戦だった。これまでの街宣車での演説中心の戦い方を変更し、きめ細やかな選挙活動で自民党の組織力に対抗しようとした。

テレビ朝日が衆議院の補欠選挙を特集した4月29日付のWEB記事において、立憲民主党の選挙戦略に関する記述の中で「有権者への戸別訪問」「一軒一軒有権者の家を訪問」と書いていたことが話題になっていましたが、サイレント修正されていました。

実際には間に「企業や団体へのローラー作戦」という修正も挟まっていました。

https://twitter.com/ca970008f4/status/1785297026307285120

変更経緯・理由の記載なし:投票目的戸別訪問は公職選挙法違反だが…

投票関係目的の戸別訪問」については、公選法で禁止されている行為です。

公職選挙法

(戸別訪問)
第百三十八条 何人も、選挙に関し、投票を得若しくは得しめ又は得しめない目的をもつて戸別訪問をすることができない。

このように、自らが投票を得るためや、他人に投票させ又は投票させないようにする目的での戸別訪問が禁止されています。

この禁止規定は家庭に限らず、会社、工場等も含まれると説明されています。*1

ところで、当該記事の2頁目には自民党の側も「企業」や「業界団体をまわ」るとする記述もあるのですが、立憲民主党に関する記述部分は明示的に「きめ細やかな選挙活動」と書いています。

ここで、「選挙運動」は、特定の候補者に投票を得または得させるため有権者に働きかける行為ですが、「選挙活動」は字面としてはこれを想起させるものの、選挙運動と使い分けられている場合があります。

いずれにしても、テレビ朝日の当該記事は全部で6頁にまたがっていますが、記事のどこを見渡しても、変更経緯・理由の記載はありません

2回も変更されたことからすると、実態をそのまま書くと公選法違反の事実になるから表現を変えたのでは?という疑問が出てくるのは当然でしょう。例えば「戸別訪問はしたが投票関係目的ではなく、公選法で禁止されているところの戸別訪問と誤認する表現を変更した」というような事情はあるのでしょうか?

日ごろから政府に関して文書管理だの文書改竄だの言い立てていたテレビ朝日が、重要部分の実質的変更に関してこういう態度なのは理解しがたいものがあります。

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*1:一例として:大阪市大阪市選挙管理委員会:答え (Q&A)


編集部より:この記事は、Nathan(ねーさん)氏のブログ「事実を整える」 2024年5月2日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は「事実を整える」をご覧ください。