晴海フラッグに住んだことの無い人が勘違いしている「3つのこと」

入居開始から4か月が経ち、ようやく落ち着いてきた晴海フラッグ。東京オリンピック選手村跡地に作られた大規模マンションです。敷地内には商業施設「ららテラス」に続いて郵便局もオープンして、生活基盤は整ってきました。クラフトビールのお店ではオリジナルのタップビアの販売もしています(写真)。

最近の晴海フラッグのディスりネタは賃貸ニーズの低迷です。

賃貸物件の供給が多く、需要とアンバランスになって、賃貸専用のポートビレッジは1,000戸以上がまだ空室。分譲棟で賃貸募集に出ている物件も350戸あるそうです。

それ以外にも晴海フラッグについて思い込みであれこれ言っている人がいますが、住人として4か月住んだ感想をまとめておきます。

例えばこんなネガティブな意見をネット上に書いている人がいます。

1.賃貸物件の人気は低く、投資目的の購入は失敗
賃貸募集物件が多く、需要が無い中で家賃が下落し、転売価格も低下傾向にあると思われがちですが、人気が無いのは低層階の眺望の悪い部屋だけです。レインボーブリッジビューやオーシャンビューの高層階の人気は高く、人気のある部屋は転売マーケットにも賃貸物件にも出てきません。

晴海フラッグの最大の価値は、都心部なのに海の眺望が得られるところにあります。ビューの良し悪しによって平米単価は大きく変わります。また供給が少ない100平米近い広めの部屋も同じように人気です。

2.BRTしかないから交通アクセスは最悪
晴海フラッグと新橋駅を結ぶ東京BRTは乗ってしまえば、メトロよりも快適です。「はるみらい」という敷地内の停留所を出ると、信号は3つだけでノンストップで新橋駅まで到着でき、早ければ6分ほど。問題は運行本数が少なく、最終便が22時台と早いことですが、いずれ解消されると読んでいます。

更に、銀座経由で東京駅丸の内南口まで走る都バスも頻繁に走っており、充分な利便性です。

3.投資目的の未入居住戸が多く、ゴーストタウン化している
確かに、入居率は未だに高いとは言えず、夜に向かいの建物を見ても2割から3割くらいしか明かりがついていません。入居率はせいぜい60%程度ではないでしょうか。

しかし、敷地内の小中学校や商業施設にはたくさんの人が集まって賑わっており、個人的には今くらいの入居者の方が快適に過ごせるような気がします。入居率が高まれば、エレベーターの待ち時間も長くなり、パーティルームなどの予約も取りにくくなります。

という訳で、資産価値のある眺望の良い広い部屋を購入した人たちにとっては、現状の晴海フラッグには特に大きな問題はないというのが、私の結論です。

建物の仕様などケチを付け始めればキリがありませんが、当初の分譲価格を考えれば、極めてバリューな物件であったことは明らかです。

晴海フラッグHPより


編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2024年5月5日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。