せっかく買っても使わなくなるガジェットの特徴

黒坂岳央です。

筆者は1秒でも時短、効率化を目指して様々なガジェットを購入して試してきた。キーボードだけでも10台くらい持っているし、スマホもPCも山ほど所有して、それぞれ用途に応じて使い分けている。

購入前は時間をかけてリサーチし、利用用途を明確にした上で買うのに、使うのは最初の方だけですぐにホコリを被ってしまうガジェットもある。その特徴とはなにか?それは「起動速度が遅い」である。

使えるようになるまで時間や手間がかかるものは筆者に限らず、どんな人も使わなくなる理由になりえる。

wakashi1515/iStock

起動が遅いのは致命的

世の中には驚くほど便利グッズ、高性能ガジェットがある。だが、使えるようになるまで時間がかかるものは、その他の機能性をすべて台無しにするほどのデメリットになってしまうのだ。

たとえば「プロジェクターの大画面スクリーンで迫力ある映画を楽しみたい!」という憧れを持った人は少なくないはずだ。しかし、経験者ならわかるが、大抵の人はプロジェクターを買っても使わなくなる。理由は使える状態にするまで時間と手間がかかるからだ。保管場所から取り出して見やすい場所に設置し、電源スイッチを入れて、見えるようになるまで待つ。このプロセスはほとんどの人には耐え難い面倒さになる。セッティングと起動速度がネックで大体、程なくして使わなくなる。

また、PCやスマホも遅いと使わなくなる。具体的な名称を出すのは控えるが、先日、仕事に使おうと人気のタブレット型PCを買ったが後悔した。スイッチを入れて使えるようになるまで、5秒くらいかかってしまう。このわずか5秒間という時間は、iPadと比べては致命的な時間である。一度起動してしまった後は速いのだが、使えるようになるまで遅いのとどうしても使用を億劫に感じる。結局、以前から持っていたiPadばかり使って、タブレット型PCはあまり使用しなくなってしまった。

ヒット商品の多くは起動が速い

世の中のガジェット系ヒット商品の特徴は大抵の場合、起動が速く、面倒くさくないことである。

iPhoneはポケットから取り出し、画面を見た時にはもう動かせる。完全ワイヤレスイヤホンはケースから取り出すだけでいい。USB-Cはコネクタ部分に上下の区別がなく、差し込み方向を間違えるムダがないことがウケている。

買い物やアプリもそうだ。Amazonもワンクリックで買える手軽さがあり、Lineやビジネスチャットは一度相手先を登録してしまえば、Eメールのように宛先を入力する手間がない点が良いのだ。

とにかく道具というのは「使いたい」と思って実際に使えるようになるまでの起動が速く、手間がないことが最重要である。高機能、高性能商品は時として、起動速度を犠牲にしてしまう。だが、特に毎日使うもので起動が遅いものは強いストレスになって使わなくなる。ガジェットの購入はとにかく「起動速度」を重視して買うといいだろう。

 

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ビジネスジャーナリスト
シカゴの大学へ留学し会計学を学ぶ。大学卒業後、ブルームバーグLP、セブン&アイ、コカ・コーラボトラーズジャパン勤務を経て独立。フルーツギフトのビジネスに乗り出し、「高級フルーツギフト水菓子 肥後庵」を運営。経営者や医師などエグゼクティブの顧客にも利用されている。本業の傍ら、ビジネスジャーナリストとしても情報発信中。