「読んで終わり」にしない人生を変える読書術

黒坂岳央です。

「最も長く続いている習慣は?」と問われれば、「読書」と自分は答える。そして「人生を最も変えたことは?」と問われれば、「読書」とやはり答える。今でもずっと読書を続けている。一時期、ネット記事やSNS投稿ばかりになったことがあったが、やはり読書にしかない付加価値を再認識することになって戻ってきた。

自分はこれといって人様に自慢できる大層なスキルや実績を持ち合わせていないのだが、こと読書についてはずっと続けて来たのもあって「これはおすすめしたい」と思う技術がある。本稿ではその内容について取り上げたい。

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読書の真の目的

昨今、読書の価値を軽んじる投稿を目にすることがある。「ネットで無料で活字コンテンツがあるのだから、本なんてお金がかかるだけ損」「本は情報の鮮度が悪く、出版社の質も低下したので価値がない」といった意見だ。こうした意見について感じることは、そもそも読書の本質を見誤っていないだろうか?ということだ。そこを理解すると、ブログ記事やSNS投稿と読書は、必ずしも同列に並べられるものではないとわかる。

読書の目的を「活字を読むこと」に置いてしまう人は少なくない。だが、自分が考える読書の価値とは「結果を出す」ために読むものという認識だ。先に目的があり、それを実現させる手段のために本を読む。主語を読書からネット記事に変えても同じことが言える。自分の場合は、たまたま記事より読書の方が手段として優れていると感じることが多かったというだけに過ぎない。

ネット記事と書籍の本質的な価値の違いについては、分量が多くなるのでまた別に議論が必要だが、まずは読書における目的を明確にしたい。

人生を変える読書の方法

読書の目的は「結果を出すため」と書いた。その一方で「読んで終わり」「知ってしまい」になると、せっかく読書に投じたお金や時間がムダに終わってしまう。

引用元:イラストAC

この図はラーニングピラミッドという有名な図で、学習後の知識や技術の定着度をざっくり表したものである。最も定着率が低いのが、講義形式で受け身で学んだ時であり、能動的に情報の獲得が必要な読書でも定着率は低く留まる。だからただ読むだけではほぼ定着せず、仮に1年後に読んだ本の内容について質問しても答えられないといった状態になる。これでは学習とはいえない。

そこで筆者がやっている方法は、読書をして重要だと感じた箇所をドンドンメモしたり、早速やってみようと思ったことがあれば読書を中断してGoogleカレンダーに予定として入れるのだ。

たとえば、雑誌の情報誌を読んで体験してみたいものを発見したら、直近予定が空いているところにすぐ入れてしまう。「いいな、いつかやってみたい」だと永遠に行動しないので、「いいな」と思った瞬間に必ず行く予定を入れてしまう。

また、他の例で言えばたとえば「この話し方をこのように改善すると良い」とコミュニケーションの技術的提案がなされていれば、忘れないようにメモをして、完全に定着するまで毎日目に入るようにして意識する。そうすれば、読書を通じて得た気づき、技術や情報を漏らさず、すべて自分のものにすることができる。結果、読書すればするほど人生全体が効率化されていくことになるだろう。

大げさなようだが、これをずっと繰り返してきて読書で人生が変わったと感じた。

誤解のないようにしたいのは、「読書すればもれなくその全員の人生が変わる」などと言いたいわけではない。むしろ、そうならないことがほとんどだ。読書はあくまで気づきや知識・技術を拾う手段という位置づけに過ぎず、だがいかに取りこぼさず、そしてそのすべてを貪欲に自分の人生に反映させられるか?ということだと思っている。

 

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ビジネスジャーナリスト
シカゴの大学へ留学し会計学を学ぶ。大学卒業後、ブルームバーグLP、セブン&アイ、コカ・コーラボトラーズジャパン勤務を経て独立。フルーツギフトのビジネスに乗り出し、「高級フルーツギフト水菓子 肥後庵」を運営。経営者や医師などエグゼクティブの顧客にも利用されている。本業の傍ら、ビジネスジャーナリストとしても情報発信中。